こんにちは、104サイクル店主Toshiです。

競輪の世界で選手として携わってきた私が、今回皆さんに伝えたいマニアックな話題があります。

それは、NJS認定のシマノHB-7600ハブの整備で見つけた、驚くべき事実についてです。これまで50個以上のHB-7600を分解整備してきましたが、そのほとんどが「スタンダードのグリス」のままだったことに、衝撃を受けました。競輪という、0.01秒の差が勝敗を分けるシビアな世界で、なぜこんな基本的な部分が見過ごされているのか? 今回はその謎に迫ります!




シマノHB-7600:競輪の心臓部
シマノHB-7600は、NJS(日本自転車振興会)認定を受けた競輪用ハブの金字塔。耐久性が高く、回転性能も抜群。競輪選手にとって、ハブは文字通り「勝利を支える心臓部」です。このハブは、厳格なNJS基準をクリアした信頼性の高いパーツで、プロの選手たちが命運をかけてレースに挑む際に頼りにするものです。

そんなHB-7600を、104サイクルではこれまで50個以上、分解・洗浄・再グリスアップしてきました。分解のたびに、ベアリングの状態や内部の構造を細かくチェックし、選手のパフォーマンスを最大限に引き出すメンテナンスを心がけています。ところが、そこで気づいたのが、驚くべき事実だったのです。

衝撃の事実:スタンダードグリスが「ほぼ全て」
分解したHB-7600のほとんどが、シマノの純正「プレミアムグリス」で組まれていました。シマノプレミアムグリスは、確かに信頼性が高く、耐久性にも優れたグリスです。普段使いの自転車や、一般的なロードバイクなら十分すぎる性能を発揮します。しかし、競輪の世界では話が別です。

競輪は、100分の1秒を争う極限のスポーツ。タイヤの空気圧、フレームの剛性、ギア比の微調整など、選手たちはあらゆる要素を最適化して勝利を目指します。ハブの回転抵抗も、その中でも無視できない要素の一つです。なのに、ほとんどのHB-7600が、回転抵抗を最適化するための低フリクショングリスではなく、純正のプレミアムグリスで運用されていたのです!




私には信じられませんでした。低抵抗グリスへの変更は、回転性能を向上させ、ペダリングの効率をわずかに高めることができる、競輪選手にとって「当たり前」のチューニングだと思っていました。実際に、104サイクルでは、分解整備の際に低フリクショングリス㊙︎を採用し、回転抵抗を極限まで減らすことを提案しています。テストでは、純正グリスと比較して、回転抵抗が数%改善されることも確認済みです。この「数%」が、競輪のゴールラインでどれほどの差を生むか、想像してみてください。

なぜ、選手たちはグリスにこだわらないのか?
この事実を知ったとき、頭をよぎったのは「なぜ?」という疑問でした。競輪選手は、バイクのセッティングに命をかけているはず。なのに、なぜハブのグリスにまで気を遣っていないケースが多いのか? いくつかの仮説を考えてみました。

1. 伝統と信頼のNJS文化  
   NJSパーツは、その厳格な規格ゆえに「そのままでも十分」という信頼感があります。シマノプレミアムグリスも、耐久性と安定性が高く、メンテナンス頻度を抑えたい選手やメカニックにとって「無難な選択」なのかもしれません。競輪の世界では「壊れないこと」が最優先で、グリス変更による微妙なリスク(例えば、極端な低粘度グリスでの耐久性低下)を避ける傾向があるのかもしれません。

2. 知識や時間の制約  
   選手やメカニックの中には、グリス変更による効果を十分に認識していない場合もあるかもしれません。また、競輪のスケジュールは過密で、細かいチューニングに時間を割く余裕がない選手もいるでしょう。ハブの分解整備は手間がかかりますし、信頼できるメカニックに任せる場合も、コストや時間がネックになる可能性があります。

3. 微差への意識の違い  
   グリス変更による回転抵抗の低減は、確かに「微差」です。この微差が、レースの結果にどれだけ影響するかは、選手のフィジカルや戦術、コース状況など多くの要素に左右されます。トップ選手の中には、グリスよりも他のセッティング(例えば、チェーンのテンションやタイヤの選択)に注力するケースが多いのかもしれません。

それでも、グリスは変えるべき!
とはいえ、私は声を大にして言いたい。グリスを変えるだけで、パフォーマンスが上がる可能性があるなら、試さない理由はない! 104サイクルでは、低フリクショングリスを使ったHB-7600のテストを重ね、実際の回転性能の向上を確認しています。例えば、特定の低粘度グリスを使用した場合、ベアリングの回転抵抗が純正グリス比で約5~10%低減(当店の実測値)。これは、選手が1kmのレースで数ワットのエネルギーを節約できる可能性を示唆します。競輪のゴールスプリントで、ほんの数センチの差が勝敗を分けることを考えれば、この「数ワット」は無視できません。

さらに、低フリクショングリスは、適切なメンテナンスを前提にすれば、耐久性も十分確保できます。104サイクルでは、競輪のみではなくCRIT、グラベルなど過酷なシチュエーションでの使用テストを行い、耐久性を確認しています。
グリス変更後のハブを選手に試してもらうと、「ペダリングが軽くなった」「回転がスムーズ」と好評をいただいています。



提案:あなたもグリスを見直してみませんか?
競輪選手でなくても、競輪バイクを愛するマニアの方々、あなたのHB-7600が純正グリスで運用されているなら、ぜひ一度、低フリクショングリスへの変更を検討してみてください。104サイクルでは、以下のようなプロセスでハブのグリスアップを行っています:

1. 完全分解:ハブを分解し、ベアリングや内部パーツを徹底洗浄。
2. グリス選定:レースや用途に最適な低粘度グリスを選定。
3. 精密な組み上げ:ベアリングのクリアランスを最適化し、グリスを均等に塗布。
4. 回転テスト:組み上げ後に回転抵抗を確認し、最高のパフォーマンスを確認。

このプロセスで、あなたのHB-7600はまるで別物のように滑らかに回転します。競輪の世界で「微差」を積み重ねることが、勝利への近道。グリス変更は、その第一歩になるかもしれません。

競輪の「微差」を制するのは、細部へのこだわり
競輪は、技術と情熱が交錯する世界です。シマノHB-7600のようなNJSパーツは、その信頼性と性能で選手を支えますが、グリス一つでさらなる可能性が広がることを、私は50個以上のハブ整備を通じて実感しました。純正グリスが悪いわけではありませんが、0.01秒を削るために、低フリクショングリスへの挑戦は価値があると信じています。

104サイクルでは、これからも選手のパフォーマンスを最大限に引き出すメンテナンスを追求します。もし、あなたのハブがまだ「純正グリス」のままなら、ぜひ一度、104サイクルに相談に来てください。一緒に、競輪の「微差」を制するバイクを作り上げましょう!

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