何でも試す、やってみる事がいかに大切な事なのかは、高校時代の強烈な成功体験がある。

1991年、俺は高校3年生だった。自転車競技部に身を置く日々。弱くはないが、決して強くもない。ただそこにいるだけの存在。高校生活最後の大舞台、インターハイを目指す東海地区予選。インディビディアルパーシュートで2位に食い込んだものの、心の中は暗雲に覆われていた。「どうせこんなタイムじゃインターハイでも予選落ちだろ」と、未来への希望すら見失い、途方に暮れる俺。

だが、その運命は一瞬にして変わった。地区予選の翌日、当時トラック競技では異端とも言えたDHバーを手にしてみたのだ。初めて握ったその感触、風を切り裂く姿勢。そしてペダルを踏み込んだ瞬間――「永遠に踏める」。身体中を駆け巡る衝撃と興奮。まるで別次元の力が解き放たれたかのようだった。驚くべきことに、その日の記録は当時の高校記録を軽々と超えていたのだ。

そして迎えたインターハイ。もはや俺はあの迷える少年ではなかった。圧倒的なスピードと意志を乗せたペダルは、誰にも止められない。ゴールラインを越えた瞬間、観客の歓声が天を揺らし、俺の胸は勝利の熱で燃え上がった。当然のように優勝。しかも高校記録、大会記録を塗り替える栄光を手に入れた。あの絶望の淵から這い上がり、頂点に立った俺の物語は、まるでドラマの最終幕のように鮮烈だった。




今では信じられないだろうけど、トラックでDHバーを使用する事に懐疑的な時代もあったんだよ。常識を疑え、とりあえず何でもやってみろ。もしかしたらインターハイ優勝出来るかもよ🏆