僕には昔親しい友人がいて、対人関係できつくなると泣いて、その子と久闊を叙したいと思うようになっておりました。そのために思いがけず二人が再会する小説を書きかけていました。再会という出来事を引き寄せるために。
でも書きかけると、その後暫くすると???と疑念が湧くようになりました。それらを列挙すると―
・二人で下校中に何を話したかよく覚えていない
・一度も彼の家へ遊びに行ったことがない
・学校で彼と絡んだ記憶がない
・僕以外で彼にどういう対人関係があったのか分からない
・学校で彼はどういうポジションだったか分からない
以上彼のカラーが茫洋としてよく分からないと言うことなのですが、僕はまあいいやと思って過ごしていました。
でも再会したくて、小説を書いてみると、以上のようなことが疑念として立ち現れるようになりました。以上のような疑念も小説を書く上で考えて決めとかねばならない事柄として割り切って書くことにしました。
でも一つの困難として、彼がイマジナリーな存在であるかもしれないと判った以上、これ以上書いて、完成させる気が起きないということです。完成に漕ぎつけるのが空しくなってきました。