【最期に持って行くもの】 | 凛音(Lino)~幸せ宅急便~【渡辺由希子】

凛音(Lino)~幸せ宅急便~【渡辺由希子】

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今年も桜が可愛らしく咲いています。先月21日から仕事に復活し、日々活力を取り戻し働けることに新鮮な喜びを感じています。


先月、上司である看護統括から、以前行ったことのある他のいくつかの施設のデイサービスと、終日の看取りを取り入れているグループホームへ手伝いに来てほしいと言われていました。「実はデイの看護師さんが辞めることになり、今のデイサービスの雰囲気を変えたいと管理職の中で会議をした中で看護師さんをどうするか..となった時に私が言う前に、皆から、雰囲気を変えるなら渡辺さんがいいのではないかと話しがでて..」と看護統括から言われ、グループホーム、デイサービス、ショートステイと4つの施設を廻ることになりました。「人が喜ぶことが大好きな渡辺さんだからデイサービスがピッタリだと思っていた」と言ってくれて嬉しかった。「でも最初は行田のご利用者様に会いたいだろうなと思って行田から少しづつ身体をならしていければと思って」と優しい采配までして頂き私は仕事と人に恵まれている..と実感しました。そうした中で昨日、7年前からデイサービスをご利用され、認知症が進んでからグループホームへ入り、最期を病院ではなく施設で..と看取り契約をしていたFさんが息を引き取りました。最後まで声をかけると目を見て頷いていたFさん。遠方のご家族様とお迎えの車が来るまでの間に施設の職員が集まり、最期のケアと更衣を行い、更衣が終わり、花束を用意をして部屋へ訪ねて、スタッフがFさんに声をかけていました。「がんばったね..誕生日出来て良かったね..」と将棋が好きで強かったことや、3月23日の誕生日に誕生会を出来たことなど懐かしい話しをしている間に、他のスタッフはFさんのうつる写真を家族に渡すため用意していました。フロアーが人で一杯になっていました。今朝、夜勤で帰って寝ていたスタッフさんも来てくれました。Fさんが最期に着たのは誕生日にスタッフからプレゼントされた柄の入ったオシャレな白いポロシャツでした。人は必ず最期を迎えるのだけれど、残された人も、行く人も、持って行くものが一つだけあって、それは出会って、ふれ合って、体験した【お互いの記憶】これだけが唯一、持てるものなんだと実感しました。持って行くものは、ただ一つ。Fさんは桜の花が咲く季節に光となり様々な出会いと体験の記憶を持って行かれました。有限の肉体でしか出来ない体験を終えて、無限の魂が出会いと体験の記憶を持って帰るべき光の故郷へ旅立ちました。人として生まれて、今ココいること、様々な体験が楽しくとも、悲しくとも、経験することが出来る有限の肉体。その記憶を最期に無限の魂が持って旅立つ。人として生まれて今ココで瞬間、瞬間に様々な体験が出来ることを改めて愛しく感じました。 出会ってくれた全ての人に愛と感謝を感じた暖かな春の始まりでした。



傍にいて泣いたり、笑ったり、支えあったり、そうした関わり合いが出来ることが今は愛しく、一人一人との出会いを大切に感じます。


私は今生きている。生きているから感じることが出来る喜怒哀楽、様々な感情を味わい続けたい。

今日も命をありがとうございます。感謝。・☆
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