前回の市川のコンサートからフォーマットを引き継いで、
確かに「ツアー」という様相で始まった、江戸川区総合文化センター、4/8夜公演。
前回の公演でなんとなく感じていましたが、今日の公演でそれが確信に変わりました。
SKE48は、関東圏の新規客の獲得を狙ってこのツアーを開催している。
実際に、新規客が取れるのかはわかりません。
それはなかなか難しいとは思います。
ですが、新しい客を開拓していかなければ明日はない、というのは客商売の基本です。
SKEは、それを関東圏で展開し始めました。
それは、セットリストにも表れています。
ユニットパートはSKEのオリジナルを使わず、全て秋葉原AKBの曲。
高柳明音、北川綾巴、「てもでもの涙」。
ユニットパートで唐突に披露されたこのユニット。
イントロが流れて、会場は「うおおおお!」と凄まじいどよめきに包まれます。
明らかに、SKEファンのための選曲と人選ではないです。
SKEファンのために「てもでも」をやるなら、高柳と北川の組み合わせとは違うユニットになるはずです。
コンサートでは、比較的に色々なコンサートで使われることの多い「10クローネとパン」。
秋葉原AKBが演るものとは、かなり雰囲気が違います。
古畑をセンターに据え、末永桜花、北川愛乃、の若手成長株などを加えたバランスの良い5人で踊るこの曲は、まるでSKEのオリジナルであるかのよう。
秋葉原AKBの曲を再現するのではなく、SKE48として再構成し、秋葉原AKBのファンに見せています。
前回の市川公演もそうでしたが、全体曲は誰でも知っているシングル曲をひたすら並べて、力尽くで客席を煽り続けます。
だから、生粋のSKEファンには少し物足りない。
コンサートの深さや厚み、というものはあまり感じられないかもしれません。
でも、
私は、これはこれで良いと思います。
「SKEのコンサートって、こういう感じです」という部分は若干わざとらしいくらいに(笑)良く表現されています。
スタートから最初のMCまでは4曲や5曲ではなくて7曲連続でやってから、とか、
イントロの出だしからの20連「オイ!オイ!」から唐突に「アー、よっしゃ行くぞー!」に切り替わるMixの打ち方とか、
メンバーが連続の曲披露で完全に息を切らして、口数の少ないMCパート(笑)だとか、
メンバーのパフォーマンスが客のボルテージを上げ、ボルテージの上がった客の声援がメンバーのパフォーマンスを引き上げる。
この、メンバーと観客がお互いに作用して生まれる熱狂のスパイラルがSKE48のコンサートの真髄。
それは、このコンサートで十分に体感できます。
完全な新規のファンを獲得するのは難しくても、
まずは、関東圏にいる、SKEをあまり知らない48Gのファンに、この「SKE48のコンサート」を知ってもらう。
ここにフォーカスして展開される関東ツアー。
珠理奈がいなくたって、須田がいなくたって、
SKE48を分からせるには、このコンサートで十分。
(真木子はちょっといて欲しいな、とは感じましたが)
前回の市川公演にはいた小畑がもういない、今回の江戸川公演。
「無意識の色」のセンターは、後藤楽々。
個人的に、感慨深いです。
何故なら、楽々が完全に無意識の色のセンターをやり切っていたからです。
同じ7期で、先に選抜入りしたのは楽々。
しかし、その後に単独センターに起用された小畑。
この二人には、他人には分からない、特別な関係性があったはず。
そして、小畑がSKEを去った後に、そのポジションに立つ楽々。
後藤楽々にも、思うものはあったはず。
そして、小畑優奈の代わりにセンターに立つのではなく、後藤楽々として無意識の色のセンターをやり切った。
小畑優奈は、SKE48に生きている。
後藤楽々が、小畑とは全く違うパフォーマンスを無意識の色のセンターで見せるとき、
小畑優奈がそこに返ってくる。
きっと、他の誰かが無意識の色のセンターをやったなら、もっと違う曲になるのだろうと思います。
後藤楽々がそこに立つとき、僕らは小畑優奈を思い出すでしょう。
だから、無意識の色は、楽々がセンターに立たなくちゃならない。
それがきっと、
後藤楽々と小畑優奈なのだと思います。
今日の楽々を見ていて、そんなことを感じました。
今日の公演には、高畑結希がいました。
普段はあまり彼女について語らないですが、
今日は彼女について話そうと思います。
最近、影で「おーちゃんに推し変したい」とか「ライブは熊崎見てるだけで満足」とか「ポンコツは嫌いだ」とか言っている私(涙)ですが、
まあ、実際に現場に足を運んでライブに参加するとなるとそういうワケにも行かず(笑)、
やっぱりサイリウムは「青・白」にしてしまうのは、何故だか自分でも良く分かりません。
そう、高畑は最近「青・白・白」から「青・白」の2本に変わったんです。
SKEに詳しい人なら、「えっ?! 青・白? そんなことしていいのかよ?」と感じると思います。
本人も、かなり遠慮と躊躇があった、と話していました。
私自身は、かなり早い時期から青・白の2本にしろ、と思っていました。
本人が躊躇するのは当たり前です、それはそうだろう、と思います。
ですが、彼女はついに決心をして白を1本減らし、
自身のサイリウムカラーを「青・白」に変えました。
高畑は「大矢真那のカラー」を継ぐことにしたのです。
今回、どうして高畑のことを書こうと思ったかと言いますと、
私が7D2研究生(7期ドラフト2期)の劇場公演で私が「青・白・白」のサイリウムを振ると決めたあの頃のメンバーがそこにいたからです。
私は、7D2のPARTY公演で、パフォーマンスが目を惹いたメンバー3人をピックアップしました。
浅井、末永、高畑、です。
3人が3人、揃って須田のチームEに昇格した出来事は、私の中の奇跡でした。
私は高畑を「パフォーマンスが良かったから」選んだのです。
しかしここ最近は、ウザキャラ、スベりキャラ、ポンコツキャラ、と、MC要員側に回る場面が多くなりました。
それは仕方がないかもしれません。
やっぱり大人数の中では、役割とか、特色とか、そういうものは必要かつ大切です。
ですが、私はその状況に納得してはいませんでした。
私が「青・白・白」のサイリウムを握ることにした理由は、そういうものではなかったからです。
私は、彼女のパフォーマンスを見て、それを決めたはずだったからです。
4/8、江戸川区総合文化センターのステージには、「彼女」がいました。
コンサート終盤、SKE48はラストスパートをかけます。
激しい曲の連続で消耗した身体に改めてスイッチを入れて、全てを絞り出す。
「恋を語る詩人になれなくて」
48Gのファンであれば、知らない人はいないであろう、SKE48の代表曲のひとつです。
イントロのスタートで大きくジャンプし、そこからの運動量はSKEの曲の中でも屈指です。
この場面でのこの曲は、メンバーにとって本当にキツいはず。
しかし、SKE48はここでこれをやってみせる。
そしてその中に、「彼女」はいました。
SKE48の中では、飛び抜けて踊れる、というメンバーではありません。
ですが、1ミリの妥協もなく、自分の出せる全てを本当に出し切ってみせるのが、
SKE48の証であり、存在意義。
そこには、そんな彼女がいました。
それは、私に「青・白・白」のサイリウムを握ることを決めさせた、あの彼女でした。
私はそんな彼女を見て、
白を1本減らし「青・白」となったサイリウムを振っていました。
それは、大矢真那に見せても恥じることのない、SKE48のメンバーとしての高畑結希でした。