AKB48 #4  -渡辺麻友- | ~ 48Gの地平線 ~ Project No.1024

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基本的にクソヲタの無駄話です。同じタイトルでYouTubeで48グループについて話をしています。


- 2012/6/6 第4回選抜総選挙 受賞コメントより -


もし、来年もまた、総選挙があるならば、
私は、1位を取りたいです。

来年までには必ず、
センターになれるような人になりたいと思います。



渡辺麻友は、自ら、


センターを取りに行くことを公式に宣言した。



自分が2位ならば、1位が誰なのかは分かっている。


それが判明している時点での「1位になりたい」宣言は、
まだ発表されていない1位である大島優子への宣戦布告だ。



それは、全AKB48プレイヤーに対しての、


「私をAKB48のセンターにしなさい」という
渡辺麻友の「命令」でもある。



そして、


渡辺麻友は、それを口にするに足る、「アイドル」だ。



しかし、2013年の第5回総選挙で、3位。


渡辺麻友は、再び大島優子の後塵を拝する。


そして、ついにそのスピーチにおいて、
自らの「不満」を口にする。



渡辺麻友は、 キレた。



「まゆゆ」の心の舵が、いままでとは違う方向に


大きく、切られた。




「CG」と比喩される、その顔立ち。

アニメ声に一歩手前のハイトーンボイス。


「アイドル・サイボーグ」の名は、伊達ではない。



誰もが認め得る、「美少女」としての
圧倒的なルックスを武器にして、


渡辺麻友は自らの理想とする「アイドル」を演じた。



そう、彼女は「まゆゆ」というアイドルを「演じる」。



それは、メンバーをアイドルではなく
生身の女性として提供する「AKBシステム」の中にあっては
「異端」となる振る舞いだ。



多くのメンバーが「ありのままの自分」を掲げる中、


彼女は「アイドル」であろうとした。


渡辺麻友は、自分の中に「理想のアイドル像」を持ち、
自分をその理想に近づけようと、自分自身と戦っている。



彼女は、世間から「自分のルックスに満足していますか?」
という妬みと冷やかしの混じった質問を頻繁にされる。


しかし、彼女はその質問をされる度に、


真顔で「そんなことないです」と答える。


時として、自分のルックスを評して

「気持ち悪いです」という言葉を吐く。



これは、照れや謙遜ではなく、彼女の本心のように見える。




彼女のメイキングでの映像に、自分のポスターを手にして、
それをずっと見つめ続ける、というものがあった。


彼女のルックスを認める者は、
それを「自分に満足している姿」と捉えるのだろう。



しかし、「まゆゆのポスター」を見つめる彼女の目は、

自己陶酔のものではなかった。



明らかに、そのポスターに映っている「アイドル」に対して、
批判的な視線をぶつけていた。


彼女が理想とする二次元世界の「アイドル」に比較し、

自分自身を批判しているのだろう。




彼女の「本来の姿」を最も端的に表す映像は、
2012年東京ドーム公演の最終日の「黒い天使」だろう。


3人構成でのこの曲は、
センターに前田敦子、右に松井珠理奈、左に渡辺。


前田敦子とのユニット。


もう一人は、過去最年少で選抜入りし、
2013年の総選挙では6位に入るまでになった
栄のツートップのひとり、


「第二章」の象徴とされる、珠理奈。



「センター」の奪取を目指す渡辺にとって、

これ以上に「スイッチの入る」シチュエーションはないだろう。



この曲の彼女は、「まゆゆ」ではない。

「アイドル」という意識のリミッターを解除して、

「渡辺麻友」を解放する。



この曲の彼女は、恐ろしいほどに力強い。


客席に視線を預けることなく、ただ真正面を見据え続け、
アイドルの枠を超えた、


渡辺麻友という人間のパフォーマンスを露わにする。



余裕を見せる前田、自然体の珠理奈、
に比べて「力が入り過ぎ」とも思えるほどだ。


だが、これが渡辺の「本気」であることに
疑いの余地はない。


この映像から、渡辺麻友、
という「人間」の一部を見ることができる。




「まゆゆ」の強みは、

性別、年齢、を問わず、幅広い層から支持を得ている点だ。


特に、小学生までの世代からは、
「圧倒的」ともいえる支持を受けている。



しかし、総選挙では、3位。



これは、AKBが、いわゆる従来型のアイドルの価値観で
序列されているのではない、


ということを表している。



若年層からの圧倒的支持。


これは、従来型のアイドルの価値観においては
渡辺が最も 「アイドルらしいアイドル」 であることを
裏付けるものだ。



しかし、総選挙では、1位にはなれない。


これを、「太ヲタ」の問題、いわゆる金の力の問題だと
切って捨ててしまうのは早計である。



もちろん、それが直接的な要因であることは
間違いないだろう。


しかし、その現象が起こる背景、要因、は何か。



小学生はカネがなく、大人はカネを持っているから。


確かにそうだろう。


しかし、そうではない。



AKBのファンは、誰なのか。


ファン層の、一番のボリュームゾーンは、どの世代なのか。



松田聖子が活躍した80年代からは、
既に30年が経過している。


世代別の人口構成比は変わっている。

社会的価値観も変わっている。


AKB48 のターゲットは、誰なのか。



渡辺麻友は、そこに気付いた。




2013年の総選挙以降、

渡辺麻友は、いままでの「まゆゆ」の方向性から、


自ら、大きく舵を切った。



自分をとりまく環境、というものを知った。


そして、自分の理想とするアイドル像と、
自分の「客層」が自分に求めるものが、


異なっている、ということを理解した。




- 2013/6/8 第5回選抜総選挙 受賞コメントより -


センターになることは、難しいかもしれない。
けれど、センターとして、
ファンの皆さんに認めてもらうことが、一番難しい。
ということが分かりました。




そして、渡辺麻友は舵を切った。



それは、


いままで彼女が自分の理想としてきたものを捨ててでも、


1位が、 「センター」が、 欲しい。



そう強く願っていることを、我々に知らしめた。




渡辺麻友。



彼女は、旧世代のアイドルの亡霊と決別した。


しかし、アイドルであることを捨てたわけではない。



彼女は、2010年代のアイドル の道を進んでゆく。



それは、新しい、

いままでに見たことのないものになるはずだ。



新しいアイドル の誕生の過程を、


我々は 渡辺麻友 を通して見ているのだと思う。