豊臣家の人々 -7ページ目

回想…

ヒデナガ:残りの結果も、わしらにとっては耳を疑うものじゃった…


      結果は、「合格」。



      兄者は、土日を挟んで思慮の上、本当の「仕官先」を決めた。


      これからは、雇用条件等の調整となる。

      通常、「仕官先」が条件を提示→兄者が承諾→雇用契約完了、となる。


      紹介所を通して、話を進めるメリットは、ここでも登場する。


      「紹介所」は、希望年収は、もちろんのこと、福利厚生、他、事前の不安点、すべてを調整してくれる。

      なに不安なく、入社日を迎えられるというわけじゃ。


      兄者の場合は、取り立てて不安となる要素は、無かったようじゃった。

      あえていえば、「前よりも条件が良くなった」ことが不安だったようじゃ。


      一般的に、「求人票」や提示の「雇用条件」については、

      「実際」(≒現実)というものがあってあたりまえ。そんな認識を誰しもが、もっておるじゃろう。


      もともと、「仕官先」の方からの提案だったようじゃが、

      「うわさの紹介所」は、兄者と「仕官先」の現場の人間との懇談会の「場」を用意してくれたようじゃ。



      今週、雇用契約を含め、兄者はもう一度、「仕官先」を伺う。

最終日じゃったな。

ヒデヨシ:コイチロウ。

      苦労をかけた… 今日で終わりじゃ。

      昨日と今日の結果は、来週になるじゃろうが、ひとつは結果をいただいとるしな。

ヒデナガ:兄者、あっけないもんじゃのう。

      あれだけ難航したのは、なんじゃったんじゃ。

      「うわさの紹介所」に変えてから、まだ1ヶ月も経っておらん。

      不思議なもんじゃのう。


ヒデヨシ:コイチロウ、それがの何も変わったことはしとらんのじゃ…

      普通に選考を進んだだけなんじゃ。

      条件が悪くなったわけでもない。むしろ諸条件はよくなっとる。


ヒデナガ:兄者、わしは、本当に不思議じゃ…

今日もまたそっけない。

ヒデナガ:兄者は、今日も出かけていった。

      夕方には帰ってきた。

      そして今日もまた、そしらぬ顔でメモを復唱して過ごす…



      そろそろ、寝床の用意でもしようか、とそんな頃。

      昨日面接の「仕官先」から兄者宛に連絡が入る。


      「合格」。


      あっけないものじゃ…

      わしゃあ、あっけにとられて腰をぬかしたわい。