回想…
ヒデナガ:残りの結果も、わしらにとっては耳を疑うものじゃった…
結果は、「合格」。
兄者は、土日を挟んで思慮の上、本当の「仕官先」を決めた。
これからは、雇用条件等の調整となる。
通常、「仕官先」が条件を提示→兄者が承諾→雇用契約完了、となる。
紹介所を通して、話を進めるメリットは、ここでも登場する。
「紹介所」は、希望年収は、もちろんのこと、福利厚生、他、事前の不安点、すべてを調整してくれる。
なに不安なく、入社日を迎えられるというわけじゃ。
兄者の場合は、取り立てて不安となる要素は、無かったようじゃった。
あえていえば、「前よりも条件が良くなった」ことが不安だったようじゃ。
一般的に、「求人票」や提示の「雇用条件」については、
「実際」(≒現実)というものがあってあたりまえ。そんな認識を誰しもが、もっておるじゃろう。
もともと、「仕官先」の方からの提案だったようじゃが、
「うわさの紹介所」は、兄者と「仕官先」の現場の人間との懇談会の「場」を用意してくれたようじゃ。
今週、雇用契約を含め、兄者はもう一度、「仕官先」を伺う。
最終日じゃったな。
ヒデヨシ:コイチロウ。
苦労をかけた… 今日で終わりじゃ。
昨日と今日の結果は、来週になるじゃろうが、ひとつは結果をいただいとるしな。
ヒデナガ:兄者、あっけないもんじゃのう。
あれだけ難航したのは、なんじゃったんじゃ。
「うわさの紹介所」に変えてから、まだ1ヶ月も経っておらん。
不思議なもんじゃのう。
ヒデヨシ:コイチロウ、それがの何も変わったことはしとらんのじゃ…
普通に選考を進んだだけなんじゃ。
条件が悪くなったわけでもない。むしろ諸条件はよくなっとる。
ヒデナガ:兄者、わしは、本当に不思議じゃ…
今日もまたそっけない。
ヒデナガ:兄者は、今日も出かけていった。
夕方には帰ってきた。
そして今日もまた、そしらぬ顔でメモを復唱して過ごす…
そろそろ、寝床の用意でもしようか、とそんな頃。
昨日面接の「仕官先」から兄者宛に連絡が入る。
「合格」。
あっけないものじゃ…
わしゃあ、あっけにとられて腰をぬかしたわい。