絵本と孫ちゃん大好き、絵本講師しみずちえこです。





花壇のアスパラ

4ちゃん、5〜ちゃんラブ


昨日の朝、美味しくいただきましたナイフとフォーク





前回


教科書に載っている絵本作品について

書きました。







忘れられない作品があります。

 

 

あまん きみこ /作 上野 紀子 /絵

あかね書房


お父さんが出征する前の日のことです。先祖のお墓参りに行った帰り道、ちいちゃんのお父さんは家族に「かげおくり」の遊びを教えてくれました。影法師をじっと見つめて10数え、数え終えたらすぐ空を見上げると影がそっくり空に映って見えるというのです。ちいちゃんとお兄ちゃん、お母さん、お父さんは4人で「かげおくり」をしました。影法師は、まるで記念写真のように空に映りました。

(絵本ナビ作品紹介より)


3年生の国語の教科書に掲載されている

悲しい物語です。



音読の宿題に出て

娘に読んでもらうまで

私は知りませんでした。


1982年に出版されていて

その頃、私は短大の学生でした。

就職した幼稚園で読むには

難しいでしょう。


 


花壇のいちご




子どもさんの音読を

聞いてあげるのは好きですか?


好きとか嫌いとか

そんなことを考えるものでは

ないのでしょうね。


嫌いだとしても

宿題を聞いてあげなきゃ

いけないのですから。





小学生の


特に、まだ書いてある文章を

スラスラ読めない段階のお子さんの

音読を


じっくり落ち着いて聞くことは

忙しいお母さんにとって

忍耐のいることかもしれません。

 


『ちいちゃんのかげおくり』は

光村図書出版の3年生の教科書に

載っています。


(教科書は学校によって、または市町村によって

選択する会社が違うので知らない方もいるでしょう)





娘が3年生のときも

息子が3年生のときも


宿題の音読で

聞きました。


娘は音読が得意な方でした。

ですから、娘の語る

『ちいちゃんのかげおくり』は

母を泣かせてしまうほど

ちいちゃんに起きたことが

つらく胸に迫りました。


お話を初めから終わりまで

通して読むことができた日


私は

「上手に読めたね」とか

「うまくなったね」なんて

言うことができず


ただただ泣きました。

嗚咽しながら泣いたのを覚えています。

それほど、子どもの一生懸命の音読は

胸を揺さぶりました。


娘はびっくりしたような

困ったような表情をしていたと

思います。





困ったことに

2年後、息子も

音読の宿題を持ち帰りました。


ああ、またこの日がやってきた。





音読が得意でない息子のこと。

初めのうちは

ぽつりぽつりと

つかえながら読むので


感情移入も難しく思いましたが


子どもはいずれ上達するのです。


やはり泣かされる日がきました。


息子は泣いている私を見て

「やっぱりなー。

いつか泣くと思ってた。」と

言ったと思います。


「だって、こんなに悲しいお話

平気で聞けないよ。」と

ひとしきり泣いたあと


「上手に読めるようになったね。

聞かせてくれて、ありがとう」と

言ったと思います。





音読を聞いてやる


と思えば、面倒な時間です。

私も面倒に思ったことが

たくさんありました。


でも


我が子が

一生懸命

私だけに読んでくださる


と、考えたら


なかなか貴重な、嬉しい時間です。




いい大人になった我が息子が

珠玉の文学を

私に読んでくれることなど


もう二度とありません。



音読の宿題

親と子の大切なひとときだったな〜と

思い出します。





今もこんな作品が

教科書に載っています。