東映メタルヒーローシリーズ第12作
1993年作品「特捜ロボ ジャンパーソン」
第24話「史上初倒せぬ敵」
第24話に登場するこの男は人間モドキ 人間モドキって「マグマ大使」に登場するゴアの工作員と同じ名前になってしまってる(笑) こっちの人間モドキはジャンパーソンが戦う3つある敵組織のうちのひとつとなるSS-N(スーパーサイエンスネットワーク)が人間そっくりに生み出したモンスター 人間モドキを演じてたのは同年の映画「仮面ライダーZO」でZO=麻生勝役や、翌年のメタルヒーローシリーズ「ブルースワット」ではシグ役でレギュラー出演することになる土門廣
モドキは、町で銃を乱射し大暴れ そして警官たちの銃弾を浴びても全く死なない化け物 いや!人間そっくりに造られた不死身のモンスターであった 怪人の着ぐるみをほとんど出さずに3年間頑張ったレスキューポリス3部作の後である余波的な物が見える「ジャンパーソン」(笑)
モドキのところへジャンパーソンが登場 しかし、ロボットであるジャンパーソンにはモドキを”人間”としか認識できずで、全く攻撃を加えることは出来ないのであった
ジャンパーソン「お前は人間なのか?モンスターなのか?」
モドキ「よっぽど俺は精巧に出来てるらしいなぁー」「あのジャンパーソンにも人間としか見えないんだもんな」
「そんなことってあるのか?」「あのスーパーロボが認識を誤るなんてこと」「モンスターだよな?間違いなく俺はよう」
ジャンパーソン「やっぱり、人間モドキ」
三枝かおる「全て人間そっくりの人工生命体よ」「モンスターなのよ、やっぱり」「モンスターである以上、二度とこの世に蘇生させないためには、骨の欠片も、血の一滴も残さず、完全に抹殺しなきゃ」
ジャンパーソン「しかし、人工生命体とはいえ人間だ」「人間に対し、そんな残酷な真似が許されるのか?」
綾小路麗子「今頃は頭を抱えているでしょうね、ジャンパーソンは」
人間モドキの試験は大成功 SS-Nの綾小路麗子は、あの人間モドキの試作を基に、人間モドキの量産をドクター犬山に命ずるのであった
モドキは自分が人間なのかモンスターなのかハッキリさせるために病院に しかし、医者からは、「完璧に、人間です」
モドキ「人間は親から生まれるのか」「俺って、人造人間っていったい何者なんだ?」
と悩んでるモドキのところへ、女が降ってくるのであった 自殺しようとしたのであろう この女性には白石なつみという名前が設定されてるみたいだけど、劇中でその名前は出てこないので、以下は女性と呼ぶ
女性「どうして?死なせてほしかったのに」
モドキ「なら、勝手にしろ」
女性「待って!行かないで」「ひとりにしないで」「無いのよ、帰る所も行く宛も」
モドキ「そうか、分かったよ」
モドキは心のなかで思うのであった
「どんな絶望でも、死ねる人間は幸せだよな」
おいおい、恐ろしいこと言うなよ 俺なんかモドキみたいに銃弾を浴びても死なない不死身の身体になって、ずっと永遠に特撮を見続けたいけどな(笑)
三枝かおる「やっぱり人工生命体は人間じゃない」
ジャンパーソン「人間だ!」
三枝かおる「人間と認めてしまったら、私たち人間の歴史が、人間社会が根本から混乱を来すのよ!」「認めちゃダメなのよ!絶対!」
ジャンパーソン「俺に殺れと言うのか!」
三枝かおる「そう!あなたが抹殺するの!」
モドキ「なら、帰る場所あるじゃんか」
女性「もう誰もいないもん」
女性「ねぇ、あんた名前は?」
モドキ「俺、名前ないんだよ」
女性「私と一緒だぁ」
モドキ「えぇー 俺と一緒?あんたも名前無いんだ」
女性「良いよね、昨日までお互い何者だったかなんて」
モドキ「どうせ対したもん同士じゃないからな(笑)」
そんな楽しげな2人の所に現れるジャンパーソン
女性「撃たないで!ジャンパーソン!」
ジャンパーソン「その男から離れるんだ!」
女性「この人が何をしたかは知らない」「でも撃たないで!」「やめてぇー!」
更にそこへ、モドキを連れ戻しにドクター犬山たちが現れ、その攻撃にジャンパーソンは吹っ飛ぶ メタルヒーローの激しく動くアクションシーンでは、動きやすくするための柔らかいスーツになってるので、塗装の色が若干違って見えるのである 俺は大好き(笑)
ドクター犬山が持ってきた超磁力砲で動きを封じられたジャンパーソン
ドクター犬山「こいっ!」
モドキ「離せ!俺はもう戻らない!」
女性「お願い!この人」「この人、連れてかないで!」
ドクター犬山「うるさいっ!」「この人だぁ?」「こいつは人間じゃない!」
モドキ「言うな!」
ドクター犬山「こいつは人造人間、モンスターだ」
モドキ「俺は人間だ」「人間だぁー!」
ドクター犬山「よーく見ろ!」
女性「いやぁー!」
パキューン!
額から白い泡状の汁がブジュブジュブジュ!
ドクター犬山「分かっただろ!」「人造人間、モンスターさ!」
ジャンパーソン「かおる!どうしてここに?」
三枝かおる「あなたひとりに手を汚させるわけにはいかない!」
ジャンパーソン「しかし、奴の存在を許すわけにはいかないんだ!」
三枝かおる「見た目には人間でも、人造人間は私たち人間とは違うのよ!」
女性「私たちって、どういう意味ですか?」「人間なんて、みんなひとりずつ違うじゃないですか!」「幸せな人も、不幸せな人も、淋しい人も」「どうして!どうして自分が、自分こそが人間の代表みたいな、そんな偉そうな言い方するんですか!?」
「親から生まれた人間と、科学で造られた人間」「生まれてしまえば、それにどんな違いがあるって言うんですか?」
ドクター犬山「お前の兄弟を、どんどん量産してやるからな」
モドキ「やめろ!人間でありながら人間でない、そんな化け物は俺ひとりで充分だ」
ドクター犬山「おうおう、すっかり悲しみを覚えちまって」「この人工タンパクが!」
モドキを追ってきたジャンパーソン
ドクター犬山「こいつは、大切な試作品だ」「お前には渡さん!」
ジャンパーソン「渡してもらう必要はない!」「抹殺する!木っ端微塵に!」
ドクター犬山「でっでっ出来るわけがない!お前にそんな真似が!」
モドキ「これでやっと終われる」「完全に殺ってくれよ」「二度と息を吹き返さないように」
ドクター犬山「ひぇーっ!」
ジャンパーソン「この世から消えろ!」
ジャンパーソンのジャンバルカンが炸裂 人間そっくりに造られたモンスターは木っ端微塵 ドクター犬山は悲鳴をあげながら退避
綾小路麗子「ジャンパーソンめっ!」「ああも無食に人造人間を始末するとは!」
今回のSS-Nの作戦は失敗 ドクター犬山は暗闇に落とされる 「お嬢ーっ!」
とまぁ、このままで終わったら意地が悪い(笑)
モドキは木っ端微塵にはなってなかった
モドキ「俺なんか死んだ方が良かったのに」
ジャンパーソンのジャンバルカンが炸裂した爆発の裏で、三枝かおるがモドキを助けたのであった SS-Nにはモドキを殺したかのように見せかけて
ジャンパーソン「命は尊いものだ!」
三枝かおる「その通りよ」「でも残念だけど、私たちの社会には、あなたの存在を受け入れるだけの器は出来ていない」「それでもあなたは生きていかなきゃいけない!」
モドキ「ひとりぼっちでな」
ジャンパーソン「ひとりではない!」
女性「私も一緒に」「私も一緒に生きていきます」
モドキ「俺は人間じゃない」
女性「人間って何?」「平気で人を傷つけたり、人の心を踏みにじったりできる人間より、生きる悲しさ知ってるあなたがどれだけ人間らしいか」「違う?」「違いますか?」
ジャンパーソン「お前は人間だ」
三枝かおる「あたなは人間よ」
その言葉を聞いたモドキの目からは、熱い汁が流れ出る それは人工タンパクの白い泡状の汁ではなく、透き通った液体だった モドキは外見だけでなく、内面も人間そっくりに造られたモンスター バッグには「世界忍者戦ジライヤ」からのBGM(M-11)が流用されてて、見てるこっちまでも目から熱い汁が出そうになるのであった(笑) 「ジライヤ」も「ジャンパーソン」もBGMは若草恵作曲だから、「ジャンパーソン」BGMに混ざって「ジライヤ」BGMも所々で流用されてるのであった
ジャンパーソン「このコンタクトカードは、君たちが危険に陥った時、私が受信する仕組みだ」「持っていてほしい」
モドキ「ありがとうございます!」「色々とお世話になりました」
というふうに、ジャンパーソンからモドキにコンタクトカードが渡されたけど、この後にモドキ絡みの続編的なエピソードは無いんだよな 当時はモドキたち2人に波乱な結末が?とか思って楽しみにしてたけど(笑) でもモドキは、SS-Nの綾小路麗子が超獣神に変身するための試作実験の一貫だったということに終盤ではなってて、それまでのSS-Nが企てた悪事のダイジェスト映像の中に、額から白い泡状の汁を出すモドキの顔の映像がチラッと出るのはあったな
「生まれてきたことの悲しみ、生きていくことの悲しみ、それを抱えながら2人は旅立った」「せめてもの、細やかな幸せを探すために」