東映メタルヒーローシリーズ第9作(レスキューポリス第1弾)  1990年作品「特警ウインスペクター」第33話「目覚めた浦島太郎」
突然にウインスペクター本部に立ち込める異臭  バイクル&ウォルターが苦しんでる  クサクサクサ!
研究室で異臭に苦しむウインスペクターの面々  クサクサクサ!
何を作ってたかというと、ウインスペクターが現在追ってる金庫破りが使う溶解液を再現してたのだった  その溶解液の作り方が分かれば、犯人が割り出せるのではないかと
するとそこへ、見知らぬ男が入ってきた  ヤクザっぽいオッサン
「ほーう、金庫の扉を溶かして金を盗む悪党がいるのか」
正木本部長「お前、古沢じゃないのか」
古沢「正木の旦那!お久しぶりです!その節は、お世話になりました!」
正木本部長「しかし、お前!どうして今?」「100年は眠り続けるはずじゃなかったのか?」
古沢「それがぁー、ちょっとした手違いがありまして、たったの9年で目が覚めちまったんですよ」
100年眠る?なんちゅう会話してるんだ
この古沢という男は、10年前の夏に正木が逮捕した男だったのだ  渡世の義理とかで古沢は人に怪我をさせたらしいけど、正木はそんな古沢を温かく励ましてくれたらしい  古沢はそんな正木に応えるためにも、真っ当な社会人になると心に決めたとか
1年経って刑務所から出た古沢は、人間を生きたまま冷凍保存する組織であるパラダイス生命延長財団の門を叩いた  それが9年前の夏  古沢は、全財産を叩いて冷凍タンクで100年間眠り続ける決心をしたのだった  100年も経てば、自分の事を知るものは誰もいなくなり、その未来の社会で一から人生をやり直すつもりで
しかし、古沢の入ってた冷凍タンクだけが故障してしまい、100年眠るはずがたったの9年で目を覚ますはめに  その冷凍タンクの修理には、丸一日かかるとか  古沢は、今日一日だけは昔の知り合いに挨拶回りをと出向いたのであった
古沢「あっしはほら、礼儀を重んじる古いタイプの任侠ですから」
金庫破りを捕まえるのに忙しいウインスペクターだが、古沢の挨拶回りに付き合う  古沢は、正木の旦那と沼田の親分が生涯忘れられない大恩人だという  その沼田の親分とやらに会いに行く  沼田の親分は、良い歳こいてケーキが大好物だとか
9年ぶりに再会した沼田の親分  去年の暮れに亡くなってた  しかも、糖尿病で
古沢「知らなかったとはいえ、とんでもねぇーもの持って来ちまったぜ」「おやぶーん!おやぶーん!(涙)」
次に古沢は、自分の娘に会いに  同時に孫娘とも会う事になるのだが
娘「帰って下さい!」「9年前に、親子の縁を切ったのはそっちじゃないの!」「帰って下さい!」
次は松岡ローン  松岡とは古沢の元舎弟みたいな存在なのか  9年ぶりに会ったら、人情の無い金貸しになってしまってた
松岡「いきなりひょっこり生き返って来たかと思えばぁ 古沢さん」「もうあんたの時代じゃないんだよ、あんたのねぇ」
古沢「あんた?」「テメーっ!俺のことあんたっつったな!」
9年ぶりに目を覚ました古沢には、何もかもが変わってしまってた  古沢は、中途半端な浦島太郎  もうこんな時代に生きてても仕方ないと、パラダイス生命延長財団に帰ろうとする
正木本部長「古沢!今度目が覚める時、2090年には、きっと良いことがあるさ」
古沢「旦那だけですよ、昔も今も変わらねぇーで優しいのは」
ちなみに「ウインスペクター」は1990年の作品だけど、本編の時代設定は1999年となってた  古沢が冷凍タンクに入った年は1990年という設定
古沢が帰ろうとした時、別で追っていた金庫破りの正体が分かった  秋吉誠という男  中央科学研究所に勤めてた技術者だと  金属を溶かす研究の第一人者であり、銀行の警備員の目撃証言とも一致するだと
その秋吉誠という名前に反応する古沢  どうやら古沢の知る人物らしい
古沢「バカが バカヤロウが 金庫破りなんかになりやがって」「あっしはまだ、財団には戻れねぇー!」「このバカをほっといちゃー、おちおち眠りなんかにつけねぇーんだよーっ!」
秋吉誠が金庫破りに使ってる溶解液は、冒頭にあったように製造の過程で異臭を放つので、アジトは町の中はあり得ず、どこかの人里離れた山の中ではと予想する  山と聞いて、古沢は思い当たる山があるというので向かうことに  コガシ山だと
そもそも古沢と秋吉誠は、どういう知り合いだったのか?  古沢は、9年前に刑務所を出た日に、たまたま通りかかった本屋で万引きする高校生を目撃  それが秋吉誠だったのだ
その時に、古沢は秋吉誠をコガシ山に連れていったという
古沢「見てみろ少年!どの花も綺麗に咲いてるじゃねぇーか」「知ってるのよ花は」「誰かが見てくれなくたって、ちゃーんとお天道様だけは見てくれてるって」「人間はよう、この山の中の花みたいに生きなきゃダメだ」「お天道様に恥ねぇー、精一杯前向きな生き方しなきゃな」「もっとも、偉そうに説教たれる男じゃねぇーげとな、俺も」「40年回り道して、やっと俺もその事が分かったのよ」
「おめぇー本当に良い目してるぜぇー」「必ず、えれぇー科学者になれる」「胸はって頑張るんだぞ」「どんなに辛いことがあってもな」
古沢「正木の旦那!やっぱり、あっしなんかの説教じゃぁーダメだったのかねぇー」
正木本部長「そんなことはない、回り道して来たお前だからこそ、誰よりも秋吉少年の気持ちが分かったはずだ」
古沢「なら、どうしてあのバカは金庫破りなんかに」
ウォルターから、コガシ山に怪しい煙を発見したと通信が
やはり秋吉誠のアジトはコガシ山にあった  良いな!その札束俺にくれぇーっ!(笑)
ファイヤー=香川竜馬「秋吉誠だな!特警ウインスペクターだ!」
秋吉誠「ウインスペクター?どうしてここが分かったんだ!」
秋吉誠は、竜馬と純子に白い溶解液をピュピュピュピュピュピュ!
外に逃げた秋吉誠は、サポートドロイドであるバイクル&ウォルターにも白い溶解液をピュピュピュピュピュピュ!  火花散らして倒れるバイクル&ウォルター
古沢「秋吉!いい加減にしねぇーか!」
秋吉誠「そうか、あんたがこの場所を警察に」
古沢「そうよ、このバカヤロウが!」
秋吉誠「うるせぇー!」
秋吉誠「動くなぁーっ!動くとコイツらを跡形も無くドロドロに溶かす!」
古沢「バカヤロウが!テメーっ どうして金庫破りなんかになりやがった」
秋吉誠「9年前の夏、あの日から俺はあんたを探した」「必死に探したんだ」
古沢「なんの話だ!」
秋吉誠「俺はあんたに会いたかった」「聞いてもらいたい話が山ほどあった」「信じてたんだ!あんたを!」「それなのに、ひと月かかってやっとあんたの家を探し当てたら、あんた冷凍タンクに入って眠りについたっていうじゃないか!」「100年も経たなきゃ、目を覚まさないっていうじゃないか!」「あんたは俺を見捨てたんだぞ!」「受験の時も、就職する時も、道に迷った時も、親も兄弟もいない俺は、ずっとあんたのこと思い出してた」「あんたに相談に乗ってもらいたくてさ」「見捨てるんだったら、情けなんかかけないでほしかったよ!はじめから!」
可哀相だけど、甘ったれてるような  俺なんかの場合だと、何か相談する相手はいつも心のなかにいるもう一人の自分  だからダメなのかな(笑)  自分に都合の良い答えしか出ないから
古沢「すまねぇー」「けどな、おめぇー」「それと金庫破りとは」
秋吉誠「関係あるよ!」
白い溶解液をピュピュピュピュピュピュ!
竜馬はウインスコードにのりファイヤーへ着化  ファイヤースコードに溶解液は効いてないみたい
しかしファイヤーは、ファイヤースコードから降りるなり溶解液にど派手にやられる
ファイヤーは、ファイヤースコードのケミカルディスチャージャーを秋吉誠に向けて噴射  犯人の動きを止めるために消火剤を使った例
秋吉誠を逮捕
秋吉誠が金庫破りをしてたのは、この女の子の肝臓移植のための手術費用が必要だったんだと  秋吉誠は、自分と同じような身寄りの無い子供たちの面倒を見てるらしい  面倒を見てる子供たちの為に盗人に  科学者の仕事も捨てて
秋吉誠「一度、面倒を見てあげると決めたんだから、途中でほっぽりだしたら可哀相じゃないか」「俺は、あんたとは違うんだ!」
古沢「気持ちは分かる」「でもよ、盗んだ銭で手術受けさせたって、その子は喜ばねぇーよ」「このバカヤロウが!」
しかし、ラストに朝陽は昇る  国際保険機関の援助が取れて、秋吉誠が面倒を見てる女の子の肝臓移植手術が受けられるようになる 古沢は、もう財団には戻らずに、この時代で生きて秋吉誠の帰りを待つんだと  この時代に生きて、あのバカヤロウ(秋吉誠)を見捨てないと誓う  待っててくれる人間がいないと寂しかろうと
浦島太郎の寂しさは、自分だけで良いと
古沢にはもうひとつの朝陽がまた昇る  突然に訪ねてくる娘
娘「お父さんが9年前、叔父さんに私を預けた理由は分かってた」「私の将来のこと考えてそうしたのは分かってた」「でもね、世間がどんな目で見たって私、やっぱりお父さんに側にいてほしかった」「だって私達、親子だもん」
「人は皆、巡り合わせた時代から逃げられない」「その中で、精一杯生きていくしかないのだ!」
巡り合わせた時代からは逃げられないけど、現在の金欠という時代(生活)からは本当に逃れたいな(笑)  冷凍保存した人体を解凍&蘇生させる技術は、今現在も無いらしい  実際に冷凍保存されてる人々というのも、不治の病で亡くなってるに等しい人体とか  病気の治療法を見つけて、解凍&蘇生させる技術が見つかるであろう?未来を信じての冷凍保存