東映メタルヒーローシリーズ第10作(レスキューポリス第2弾)  1991年作品「特救指令ソルブレイン」  第10話「わしら純情放火団」
暴走族が、老人をいじめている
「ジジイのかんかん踊りだ!」
「ほら 踊れ!踊れ!」
そこにたまたま駆け付けたソルブレインの若き隊員、増田純
暴走族たちは逃げ、老人を助ける純  この老人は、これから面接試験だと言うのに履歴書はズタズタ  老人の名は岡田松太郎
岡田は再就職するつもり  前の会社は40年間、無遅刻 無欠勤で勤め無事に定年退職  しかし送別会は無かったとか
 岡田「若い連中には、知ったこっちゃないんだろう」
「私たちが昔、どんなに苦労して会社を造り上げて来たかなんて事は」
「ご苦労様のひと言も言ってもらえんかったですよ」
「私たちの40年は、いったい何だったのか」
岡田が再就職の面接に向かった会社は、このあけぼの社  しかし、この社長である須藤から驚きの言葉が
「わが社の仕事は放火です」
「日本中を焼け野原にするのが仕事です」
須藤は言う  貴方はこの40年間、身を粉にして働いてきて周りの人間は、社会は報いてくれたかと
戦争が終わった時に中学生だった貴方は、焼け野原に呆然と佇み泣いた  でも泣いてばかりはいずに自分の腕と体でこの日本を築き上げたでしょうと  しかし社会は、そんな皆さんに何一つ報いてやろうとしない
それどころか、若い奴なんか平気で老人を甚振る
だから日本をもう一度焼け野原にして、豊かさに腐りきった若い奴らに、何も無いところからまた造り上げる試練を与えてやるのだと  岡田は社会への怒りが掻き立てられてすっかりその気になってしまい、老人放火団が誕生してしまう
次々に放火を重ねる岡田たち老人放火団
3日間で連続7件の放火  場所も転々といていて集中警戒の指示も出せないソルブレイン  放火された7件に何か共通する要素が無いのかと調べる
現場での聞き込みでは、どの現場でも不審な老人が目撃されていた  火事を見て老人がVサインを出してたとか、老人がスキップをしてたとか  そして2件目の放火現場の写真を入手し、純は岡田を見つけてしまう
岡田が面接したあけぼの社にソルブレインは向かうが、事務所の中はもう既に引き払いどっかに消えてしまってた  あけぼの社の責任者である須藤をソルブレインはここで知る
更に放火された7件は、悪名高き不動産王・桜木賢蔵の物だと分かった  怨恨の可能性を見てソルブレインは動く
廃工場に新たなアジトを構えたあけぼの社  須藤が次に放火するマンションの指示を出す  でも日本中を焼け野原にするんだったら、町のど真中のガソリンスタンドとかに火を着ければ良いのに  岡田は、どういう基準で放火する建物を選んでるのか気になってたのである
「そろそろ それを聞かれるんじゃないかと思ってました」と須藤
須藤は皆を復讐に利用していたと白状する  20年前に須藤の父は、桜木賢蔵に家も土地も財産も全て騙し取られ、一家心中に追い込まれたと  みんなで頭からカゾリン被り、父が泣きなからマッチを擦ったと  奇跡的に自分だけは助かったが、左足は義足で顔には酷い火傷  10歳の時から今日まで不自由な左足と潰れた顔を抱えて社会の角で息を潜め、声を殺して20年間ただ生きてきたと
岡田「もう良いよ、須藤さん」
「あんたのためじゃない」
「私ら自身のために続けるんだ」
須藤に対する老人放火団の同情&優しさなのか
と次の瞬間、「うっ!うぁーっ!」と須藤が苦しみ始める  須藤は心臓を患っており、いつ死んでもおかしくない体だったのだ  須藤は老人放火団に最後の願いを託すことに
須藤「すいません、皆さん」
「最後のお願いだからって、とんでもないこと頼んじゃって」
岡田「初めてあった時、須藤さん言ったよね」
「豊かさに腐りきったこの日本を、もう一度焼け野原にいて一からやり直させよって」
「腐りきった日本って、例えば桜木賢蔵の事かもしれないなって」
豊かさに腐りきった若者ではなく同世代の桜木賢蔵に矛先が変わってしまった老人放火団
須藤の最後の願いとは桜木賢蔵の拉致(拉致する時に老人放火団の内2名逮捕されていなくなる)  ドンドン間違った方向に進んでしまう岡田  須藤は、廃工場で桜木賢蔵を道連れに自殺するつもりなのである
須藤「待ってましたよ、20年」
怖いな!須藤
廃工場の中は燃え盛る炎
須藤「真面目だけが取り柄だった親父も」「優しかったお袋も」「素直で可愛かった妹も」
「みんな炎の中に消えたんですよ桜木さん!」「これでやっと 20年遅れでみんなのところへ行ける」「あなたを連れてね」
桜木賢蔵「俺は!俺は死ぬのは嫌だぁー!」
廃工場に駆けつけるソルブレイン  入り口には、中に入れまいと岡田たちが火炎瓶で立ち塞がる
岡田「桜木賢蔵は、私らの敵なんだ」
「腐りきった日本そのものなんだ」と火炎瓶を投げつける
社会への怒りの矛先が、若者から同世代の不動産王へと完全に変化しきってる
自分の祖父母なんかは戦争を体験した世代だったから、よく戦時中の話は聞くことあったけど、日の丸の鉢巻と竹槍というこんな戦時中の日本人の戦闘スタイルをパッとイメージできる若者ってドンドン少なくなってんだろうな  こんな竹槍ではソルブレインのソリッドスーツには対向できまい(笑)  
メタルヒーローVS竹槍持った老人たち  こんな組み合わせの戦いが見られるのもレスキューポリスならでは
ソルブレインは岡田たちを交わして確保  火災を消火し廃工場の中に入るが須藤は既に死亡  桜木賢蔵は無事保護
岡田「桜木だけが生き残った」「腐りきった日本だけが!」
正木本部長は、岡田たちに手錠を討てと純に
純「どうして、こんな事になってしまったんですか?」
岡田「戦争が終わった時、私は中学生だった」「一面の焼け野原に佇み、中学生の私は泣いてた」「その何もかも焼き払われた所から、私はこの国を造った」「道路を造り橋を造り、この国全てを造り上げた」「凄いだろ!」「全部私たちが造ったんだよ 汗と涙で」「それなのに、誰もそれを認めてくれん」
純「俺は認めますよ」
岡田「良かった」「良かったな飯島さん」「私らを認めてくれる若い奴がいたよ」
自分の祖父母なんかも戦争を体験して、何も無くなった時代から豊かな日本に発展してきた時代を生きた世代だったから、よく祖父なんかは自分が働いて豊かな日本にしてきたとかいう話し方をしてたな(笑)  もうそういう世代の爺ちゃん婆ちゃんも少なくなる一方なんだろうな
岡田たちは、連続放火並びに拉致誘拐で若い刑事に逮捕されてしまった
純「本部長!」「真っ当に生きてきたこの人たちが、なぜ俺に手錠を討たれなきゃならなくなったんですか?」「誰が、何がこの人たちをここまで追い詰めちまったんですか!?」