新幹線に乗って たらようの君の元へ


再会するの 1年ぶり………


20歳に出逢ったけれど


歳の差があったから 


付き合い始めたのは 10年後


30年近い遠距離交際で


二人して結婚はしないまま 独身


新幹線の往復も 慣れっこになり


なのに………この春3月 お別れした


たらようの君を離れ


ミカエルの元へ……そう決めたから


そして今10月 再び新幹線に乗っている


泣き出した私に たらようの君が言う


「また………一緒に歩きますか?」


再会しても 


もう……かつての二人には戻れない


告知から手術 そして再発 又手術


死を感じる日々 長い歳月 


結婚も 家庭も 子供も諦めて


独りの覚悟はしていたけれど………


病室に独り………君は来てくれなかった


ミカエルは 多分


人格障害を持っている


それによって半年………心身が疲弊


一緒に居ると 私は病んでしまう


何故?


ミカエルも私も 家庭の温もり


特別ではない日常を乞い求めていた


そしてミカエルには 


死を見つめる知性があって


それによる……


傷みから逃げないスキルが


私には 慰めと励ましになった


二人して 私を愛していると言い


独りにしないで


側に居て欲しいと言う


自分の許容の範囲内で………


私を選べない環境のある君


私の為に失うものが大きいミカエル


自分を愛する以上には愛せない


そんな愛を 愛と言えるのか 


もうわからない


それでも 私は二人を愛している


そんな自分を 今までは許せなかった


けれど もう良い


たらようの君が 与える事の出来るもの


ミカエルにしか 与えられないもの


二人が与えてくれる喜びだけを


癒しにしよう