ACPの勉強会へ参加して来ました。

ACPと言う言葉も知らず、

テーマは「あなたや、あなたの大切な人が癌と診断された時、癌治療に何を望みますか?」

であったので、「あれっ?」

と思いましたが、そこは先方がプロ。

患者の疑問、不安、不満を瞬時に感じとり、流れを説明して下さいました。

ACPのまとめは

尊厳ある生き方を実現することがACPの目的である。

患者さんの意思が一番大事である。

繰り返し話し合い、その意志を共有することが重要。

意思が確認出来なくなった時、ACPを元に患者さんの意思を推測することが出来る。

かかりつけ医を中心に多職種が共働し、地域で支える視点が重要。

透析治療をめぐって、医療現場と患者サイドで問題が起こっていて

それを防ぐ為にもACPの役割は高いのだと。


臨床倫理コンサルテーションチームのナースである今回の先生は

どしたら、このように他者への愛情、思いやりに溢れるのだろうか?

世にある医療問題への哀しみと、怒りが隠せない人。

それなのに、

表情は穏やかで、言葉は選ばれ、その抑揚、響き、全てが、優しさに満ちていて

微笑みが消えない。

これほどの強い想いを抱き、

これほどの温かさを醸し出す彼女は、

きっと、とても、苦しい時期を過ごされたのでは?

勝手に考える私。



もっとも大切なことは

「患者さんの気持ち」とレジメに書かれていて

患者さんが、自分で決めても良いと言う意識を持つこと

たとえそれが標準治療から外れていたとしても、何故患者さんがそのように決めたのか、

患者さんの思いを「真摯に聴く」ことから始めよう。

患者さんには「人としての物語」がある。

目の前の患者さんの声を聴き、紡ぎだそうとする「構想力」こそが大切、それは想像力ではありません。

医療チームみなで、患者さん、家族を支える事が、「当たり前」の文化を医療の現場に根ずかせたい。

「私は、こんな医師が、先生方が溢れて欲しいんです」

そう、語ってくださいました。



「患者が医療者に求めるもの」

気持ちによりそって、一緒に考えて欲しい

あたたかで、親切な態度で、ゆっくりと接して欲しい

分かりやすく、安心できる説明をして欲しい

辛い気持ちや負担を聞いて、分かってもらえたと感じたい

意思決定を共有して欲しい

いつでも連絡をとれるようにして欲しい

希望する場所で過ごせるようにして欲しい

ホスピスに安心して、待たずに入れるようにして欲しい

家で安心して過ごせるようにして欲しい

なるほど.....



私にも重なる想いはいくつか

病室に現れ、お変わりないですか?

と優しく訪ねて下さる主治医

その主治医と共に診てくださっていたもう1人の先生

いつもハイトーンで現れて、冗談ばかり言って、

「大丈夫、OK」をガハハと笑いながら繰り返した

独りぼっち、

病院のリビングでコーヒーを飲んでいたら

知らぬ間に現れ「いいねぇ~美味しい?」って肩を叩かれた。

身寄りがなくて、友人に保証人になってもらい

たった一人で手術を受けた私

先生は九州の大学へ戻られた

肩に触れて下さった手の温もりは

今も忘れない