フルミストについて | 耳鼻科医として、ときどき小児科医として

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以前にアメブロで書いていましたが、一時移籍し、再度ここに復活しました。専門の耳鼻咽喉科医としての記事を中心に、ときにサブスペシャリティな小児科診療のこともときに書いていきます。

点鼻インフルワクチン「フルミスト」についての私見です。今年から本格的にフルミストをはじめました。結論からいうと、インフル感染予防はすごくいいです。一方で、注射は、今のA型インフルの型があっていないので、効果はかなり落ちる印象です。ただ、うたないよりはうったほうがいいです。当院にインフルで受診してくるのは、圧倒的にワクチンをうっていない人です。

 

フルミストはインフル生ワクチンになるので、発熱したり、鼻汁がひどくなるケースがけっこうあります。それをもって、内科の医師は、フルミストを批判することが多いのです。

 

効果がなくても、副反応がでない注射ワクチンを絶賛し、効果があっても、副反応が多いフルミストをこき落とします。

 

日本人にとっては、ワクチンというのは、副反応がでてはならないようです。効果についてはあまり気にしないのです。

 

海外製のコロナワクチンをそのまま日本で使った場合に、副反応がでて徹底的に批判されたのがわかりやすいケースです。

 

副反応がでないのがいいのならば、生理食塩水をうったほうがいいかもしれません。100%副反応でません。効果もでませんが。冗談です。

 

以前、ポリオワクチンは生ワクチンでした。それが注射の不活化ワクチンに切り替えられました。注射のワクチンは副反応は少ないのですが、効果の持続期間が短いのです。このため、何度もうたないと免疫がつきません。生ワクチンなら一発でよかったものが、注射になったら、免疫持続しないのです。日本においては、安全性重視なので、注射ワクチンに変わってしまいましたが。