風邪をひいたら、咳が続くよ | 耳鼻科医として、ときどき小児科医として

耳鼻科医として、ときどき小児科医として

以前にアメブロで書いていましたが、一時移籍し、再度ここに復活しました。専門の耳鼻咽喉科医としての記事を中心に、ときにサブスペシャリティな小児科診療のこともときに書いていきます。

咳がひどいと受診してくる人が今日は多い。他の医療機関で風邪薬が出されているケースがほとんどだ。

 

あなたの場合は、風邪をひいたら咳がひどくなります。風邪はほおっておいても治るけど、咳はとまらないです。

 

こんなことを今日の午前中何人の人に言ったか。咳がひどいと受診してくることもあるが、当院のカルテがその見極めに重要である。

 

以前に、呼気NOを測定していたことがあり、その数値を記入してあるのだ。咳がひどいと今来た患者は、呼気NO数値が70台だった。これを測定する人は、咳がひどいと来た患者である。過去に呼気NOの数値が高いので、喘息ですと診断はしているはずだ。それがカルテに書いてあるので、風邪をひいたら咳が長引きますと最初から言っているのだ。

 

呼気NOは喘息を見抜くために優秀な検査である。これで多くの喘息患者は見つけられるようになった。コロナが流行り、息を吹きかける検査がやばくなってしまい、それ以来検査を全くしなくなった。呼気NO機器が何をもたらしたのか。耳鼻科医である自分に喘息の診断をつけられるようにしてくれた。呼気NO機器にはマイナス面もあるので、今はまったく使わなくなってしまった。が、風邪のあとにこれだけ咳がひどいと受診してくる喘息患者が多いんだということを教えてくれた。この検査をしていなかったら、他の耳鼻科と同じように、咳がひどい患者に咳止めしかださないことだろう。

 

今はこのような検査をするよりも、直感で判断したほうが簡単なのだ。それに検査しても、ほとんど利益がでないので、時間がかかるだけ無駄だと思ってしまう。この検査が普及しないのは、手間かかるわりに、もうからないからというのがある。しかし、自分はこの検査機器を導入したお陰で、喘息を見極められるようになった。