マイナ保険証のほうがやばい | 耳鼻科医として、ときどき小児科医として

耳鼻科医として、ときどき小児科医として

以前にアメブロで書いていましたが、一時移籍し、再度ここに復活しました。専門の耳鼻咽喉科医としての記事を中心に、ときにサブスペシャリティな小児科診療のこともときに書いていきます。

 

 

 

厚生労働省曰く「保険情報の誤りや不正使用は年間600万件にも上っており、その処理のための経費は1000億円を越える」

医療の仕事をしていないインフルエンサーは、厚労省のウソにまるめこまれてしまう。たぶん、年間600万件も不正がおこなわれていると思ってしまうのだ。

 

医療機関では毎月レセプトというのを提出する。これをもとに、お金が支払われる。その時、男と女の間違いなどの指摘があると、レセプトを出しなおせともどされる。こういうミスが月に5~6件はある。これは不正ではない。事務員の入力ミスがほとんどである。年間600万件というのは、こういう保険情報の誤りが大量に入っているのだ。

 

当院20年間の間に、保険証を不正に利用したのは1件しかない。もちろん、気づいていない可能性もあるが、気づかれなければ、この600万件にははいってこない。つまり、不正利用ともカウントされないのだ。

 

不正利用が20年で1件。保険情報の誤りは20年間で1200件(月5件で計算すると)になる。不正利用はすごく少ない。

 

紙の保険証だと、顔写真がない。だから他人の保険証をもってきたときわからない。それで不正が指摘できないと言うだろう。ただし、職員がそれを手にとって入力するからばれやすいのだ。マイナ保険証をかりて、そのパスワードまで聞いていたら、顔がどんな人でも防ぐのは難しくなる。機械はYesかNoかしか判断できない。機械にかざして通ればそのまま他人の保険証で受診してしまえばいいし、通らなければ、何もなかったことにして帰ってしまえばつかまらない。不正は逆に増えると思う。