「海のはじまり」は、おしん | 耳鼻科医として、ときどき小児科医として

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以前にアメブロで書いていましたが、一時移籍し、再度ここに復活しました。専門の耳鼻咽喉科医としての記事を中心に、ときにサブスペシャリティな小児科診療のこともときに書いていきます。

 

 

ドラマ「海のはじまり」を見ていない人のために、少し解説します。

 

主人公「夏」。大学生のころにつきあっていた彼女が妊娠します。「堕胎するから承諾して」と彼女に言われて、承諾書を書いたとたんに別れをつげられます。その後は、一切会わず。

 

次に連絡があったのは、その彼女が亡くなったのでと、告別式の案内。告別式に参加し、その時の子供が生まれていたことを初めて知ります。降ろすと言っていたのに出産して、親子で生活していたことも。子供はもう6歳。母親なしで、いきなり父親になった夏。その後、子供をひきとって、父と子で生活することになりました。

 

母親のことは何もしらされず。末期のがんの状態であったことも、何も聞かされず。いきなり、「亡くなりました。子供がいます。」と言われた主人公の夏。

 

普通の男性だったら、受け入れられないし、その子供は自分には関係ないとつっぱねることでしょう。

 

その子を自分が一緒にいてあげないとと思うことが、レアなケースだとは思います。でも、テレビの視聴者からは、無茶苦茶批判されてしまう。

 

普通に考えれば、夏君は同情されて不思議はありません。徹底的に同情されるべきでしょう。

 

かつてのNHK朝ドラで高視聴率を獲得した「おしん」のようにも思えてしまいます。周囲から徹底的にひどい目にあわされて、どんどん視聴率が上がっていったのです。そもそもがテレビ局の目論見通りです。

 

このドラマの中でも、周囲の人間がすごく厳しい言葉を、夏君に次々なげかけています。それらの言葉に反発せずに、全部自分のせいだと受け入れてしまうので、夏君への同情が集まります。