薬の情報古すぎ | 耳鼻科医として、ときどき小児科医として

耳鼻科医として、ときどき小児科医として

以前にアメブロで書いていましたが、一時移籍し、再度ここに復活しました。専門の耳鼻咽喉科医としての記事を中心に、ときにサブスペシャリティな小児科診療のこともときに書いていきます。

 

 

他の医療機関の薬の情報がわかりますよ。

国はこのように宣伝しているが、その薬の情報がまったく役立たない。

 

耳鼻科医が求めるのは、1か月前に出されていた薬ではなく、最近1週間でだされていた薬なのだ。それがマイナ保険証では一切わからない。わからない理由は、保険請求した薬のデータが、保険証を発行しているところを経由して、マイナ保険証に反映されるからだ。

 

耳鼻科医の場合(小児科医もだが)、他のところで薬をもらっていたがよくならないと受診してくる。ここ1週間ぐらいの話である。その時に、前のクリニックでは何の薬を飲んでいたかがとても大切な情報であり、それがないと、診断、対応が遅くなる。

 

はっきり言うと、マイナ保険証の薬データはいらない。必要なのは、それに反映されない最近の薬データである。

 

国は、マイナ保険証で薬の確認ができるから役立つと啓蒙している。それを真に受けて、患者がお薬手帳を持ってこないことが非常に困ることになるのだ。

 

僕らは抗生剤がでているかどうか、何の抗生剤がでているかが重要なことであるのに、マイナ保険証の1か月前の薬データしかわからないのでは話にならない。マイナ保険証があれば、お薬手帳などいらないということになると、今の治療がちんぷんかんぷんになる。

 

慢性期の疾患確認にはいいのだが、急性期には1か月前の状態など何の参考にならない。結局はお薬手帳が必要であり、マイナ保険証の薬データはいらない。