マスクの問題点 | 耳鼻科医として、ときどき小児科医として

耳鼻科医として、ときどき小児科医として

以前にアメブロで書いていましたが、一時移籍し、再度ここに復活しました。専門の耳鼻咽喉科医としての記事を中心に、ときにサブスペシャリティな小児科診療のこともときに書いていきます。

マスクは感染予防の観点からつけるべきだ。

こういう主張ばかりが広がっている。

その裏で、マスクを使うことのデメリットには誰も気づいていない。

 

軽い難聴の患者が受診してきた。聴力検査ではたいした難聴ではない。クリニックで仕事をしていて、声が聞き取りづらくて大変だという。それはそうだ。患者も職員も、みんながマスクをしているから。みんながマスクをはずしたら、その人の悩みは解決してしまう。それができないから、この人は聞こえないことに悩む。

 

特に高齢の患者は耳が遠くなっているので、医師の話を聞き取れていない場合も多い。でも、だまってわかったふりをしてかえる。難聴があるということは、自分の聞こえの悪さを自分の責任と感じ、医師に「聞こえない」とは言わないものなのだ。言ってはいけないと思いこんでいるのだ。

 

マスクをすると、声が小さくなり、患者は聞きづらくなる。これが最大のデメリット。このことに気づくことはほとんどない。医者にとっては聞こえの問題よりも、感染症の問題のほうが1000倍ぐらい大きな課題だからだ。

 

マスクをしても、コロナは防げない。それどころか、マスクがコロナウイルスの侵入を防いでしまうので、むしろ自分のコロナ免疫力が落ちてしまう。だから、マスクせずに、ウイルスを体に入れたほうがいい。

 

先日、このような内容のブログを書いた。それをよむ多くの医療者は、「マスクにあまり効果がなくても、つけていないよりつけておいたほうがいい。」と反論するはずだ。マスクをすることで声が患者にとどかなくなり、患者は話が聞き取れなくなっているというデメリットなど、誰も考えないことだろう。

 

僕自身は難聴を専門とする耳鼻科医である。マスクをするメリットがとても大きいのなら話は別だが、効果などほとんどないのにマスクにこだわり、患者に声がとどかない現状をなんとかすべきである。僕にとっては、「マスクはしているよりも、していないほうがコロナにかかりづらい」とも思っているのだ。マスクを使うメリットはほとんどない。デメリットはあるけど。