まともに残業代払えば、まず救急病院はつぶれます | 耳鼻科医として、ときどき小児科医として

耳鼻科医として、ときどき小児科医として

以前にアメブロで書いていましたが、一時移籍し、再度ここに復活しました。専門の耳鼻咽喉科医としての記事を中心に、ときにサブスペシャリティな小児科診療のこともときに書いていきます。

 

 

医師の個人的貢献の上に、いなかの救急病院はなりたっています。すべて残業申告通りに払っていたら、まずつぶれることでしょう。日本の医療は安すぎる。これが背景にあるのです。

 

以前に勤めていた救急病院。心筋梗塞などの心臓緊急疾患をばんばんみていて、循環器の医師はかなりハードでした。その一方で暇な診療科もあります。基本給はかわらなくても、忙しい診療科は手当がすごくつくので、倍ぐらい給料が違ってきます。頑張っている医師たちには、給料をあげないとむくわれないですね。

 

一流病院は、残業代がでなくても、医師は働きます。大﨑市民病院は意欲をもった医師が多数集まる一流病院です。ひとりひとりにきちっと残業代を払っていたら大赤字です。市立病院なので、赤字分は市が穴埋めします。これを税金の無駄遣いだというのであれば、病院を閉鎖するしかないでしょう。

 

まともな病院は赤字になる。このような診療報酬体系がなされているのです。それでも赤字はけしからんというのであれば、救急診療をやめるのが一番てっとりばやいのです。