コロナの状況が初期の頃とまったく違う | 耳鼻科医として、ときどき小児科医として

耳鼻科医として、ときどき小児科医として

以前にアメブロで書いていましたが、一時移籍し、再度ここに復活しました。専門の耳鼻咽喉科医としての記事を中心に、ときにサブスペシャリティな小児科診療のこともときに書いていきます。

コロナが日本で流行り始めたのは、2020年春から。このころ、コロナ感染者は実は少なくて、世間にはそれほどいなかった。その人たちが集まるのは、多くが医療機関。医療機関こそがコロナの感染リスクがもっとも高いところだった。ここまでは推測できると思う。

 

ところが、オミクロンになり、あちこちで感染が広がり、現在リスクが高いのは、医療機関ではなく、普通の職場や家庭。コロナ感染者の症状が軽いので、「風邪をひいたみたい」と言いながら職場にきて、実はコロナという人がいくらでもいる。普段の仕事などではマスクもしないし、一緒にご飯も食べる。そういうところこそ、コロナの感染リスクが高くなってしまっている。

 

医療機関を受診するときには警戒しても、普段の仕事場などではまったく警戒しないからだ。医療機関でうつる可能性はきわめて低く、その多くは日常の場で感染しているようだ。

 

当院でコロナに感染した人に話を聞くと、家族内感染をのぞけばコロナの感染者は誰もいないと言う。職場では一人もコロナはでていないと言うわけだ。今のオミクロンは軽いので、若い人が軽い症状がでても医療機関には来ないし、コロナ検査など受けはしない。知らない間に次々と感染が広がっているのだ。

 

コロナは人から人へしかうつらない。つまり、コロナにかかった人がいるならば、その人は必ず周囲の誰かからうつっているのだ。