医者がそんな細かいところをつっこむな | 耳鼻科医として、ときどき小児科医として

耳鼻科医として、ときどき小児科医として

以前にアメブロで書いていましたが、一時移籍し、再度ここに復活しました。専門の耳鼻咽喉科医としての記事を中心に、ときにサブスペシャリティな小児科診療のこともときに書いていきます。

 

 

細かいところはでたらめがあっても、演出上しかたなのです。自分の医療技術に自信のある人はそんなこといちいちつっこみません。よっぽど暇なんだろうな。自分の知識をひけらかしたいんだろうなと思います。

 

自分が医者になったころ、ある医療映画がありました。手術中に電話がかかってきて、手術中に手袋をした手でその受話器をうけとり、「もしもし」と話しかけるのです。こんな電話のしかたはしません。

 

外科医でないと信じられないかもしれないですけど、手術に参加していない看護師さんが、医者の耳元に受話器をおしつけ、話をさせます。これが普通です。看護師はずっと電話をもっているのです。

 

外科医が手術中に汗がでてきたときにも似たようなことがあります。外科医は「汗!」というと、周囲の看護師が医師の顔の汗をぬぐいます。医者がいばっているからではなく、汗をさわってしまうと、手袋をはずして手洗いからまた始めなければならないので、時間の無駄になるからです。手術をスムーズにすすめられるように、汗をふくのは別の人に頼むのです。医師の汗が患者の手術部位に落ちたら、一大事になりますから。

 

ドラマの中のことですから、昔よりはリアルになっているとは思いますが、現実ありえないことなどいくらでも放送されますよ。他の分野でも、まともな専門家は、スルーします。