学校検診でひっかける基準は医師次第 | 耳鼻科医として、ときどき小児科医として

耳鼻科医として、ときどき小児科医として

以前にアメブロで書いていましたが、一時移籍し、再度ここに復活しました。専門の耳鼻咽喉科医としての記事を中心に、ときにサブスペシャリティな小児科診療のこともときに書いていきます。

学校での耳鼻科検診を毎年やっています。僕は本当にひどい子供しかひっかけないので、一つの学校で数人ぐらいです。医師が変わればこの10倍以上ひっかけると思います。

 

検診でたくさんひっかける医師と、僕のようにほとんどひっかけない医師。どちらが正しいのかと言えば、前者だと思います。検診の基準に照らし合わせればたくさんひっかけるのがルール通りです。僕の場合にはこんなのでひっかけても特にその子の状況に変わりはないから、下手に耳鼻科に行かなければならなくなり大変だろうと、逆に手を抜いているのです。

 

近くの小学校があります。以前は僕が校医をしていました。いっぱいひっかければ、自分のクリニックに患者が来てもうかることは間違いないです。しかし、上記の理由でほとんどひっかけませんでした。数年前に自分が校医を辞任し、別の校医に変わりました。その後、検診でひっかかってくる子供の多いこと。自分のときの、10倍はひっかかると思います。検診にひっかかった子供がどこを受診しようと自由ですが、校医が変わったことで、当院受診者が激増し、逆に収入増になってしまっています。

 

自分のクリニックの近くの校医をすると、わざとたくさんひっかけて自分のところに患者を誘導しているのではないかと疑われる場合もあるかもしれません。多くはそんなことはなくて、単純に検診でひっかける数が多いだけです。僕は少ないだけ。

 

多くひっかければ、見落としがなくなります。でも、その分通院の手間をとらえる子供が増えます。僕のようにほとんどひっかけなければ、見落としが多くなります。子供は通院しなくてよくなるので、楽になります。まあ、一長一短だとは思います。