今後、学校の校医をやめる医師が増えてくるだろう | 耳鼻科医として、ときどき小児科医として

耳鼻科医として、ときどき小児科医として

以前にアメブロで書いていましたが、一時移籍し、再度ここに復活しました。専門の耳鼻咽喉科医としての記事を中心に、ときにサブスペシャリティな小児科診療のこともときに書いていきます。

 

 

僕自身、学校の対応に問題を感じ、校医を辞任した過去があります。

 

東京の場合、代わりの校医をみつけるのは、そんなに難しくはないのですが、地方の場合、校医にやめられると新しい医師を探すのはかなり難しいことでしょう。

 

先日の、パンツの中を診たという事件。医師は正当性を主張していますが、こんなに大きくもめるのであれば、自ら辞任するだろうなと思います。小児内分泌の専門医師であったといことで、ここで辞任すれば自分の否を認めたことになりかねないと、がんばったのでしょう。しかし、やめさせられればどうしようもありません。

 

世の中の校医をしている医師の中で、学校医をどうしても続けたいと思っている医師は少ないと思います。多くの医師は、地域医療に貢献するために、面倒な仕事だけどやっていくかという感じだと思います。

 

ただ、校医をやることになんら強制力もありません。地元で医師をやっているんだからそれぐらい協力してもいいだろうという圧力のためにやっているようなものです。

 

つまり、やめていいと言われれば辞める医師はたくさんいます。

 

某医師が言っていたのは、「校医を辞めるにはどうしたらいいか」と医師会に相談したところ、「医師会を辞めるしかない」と言われたそうです。この医師は、校医をやめるために医師会もやめたそうです。

 

医師会の会員であることと、校医をすることには因果関係はありません。僕自身は医師会員は続けながらも、校医だけやめましたから。校医をやめたくなったらいつでもやめていいのです。ただ、各学校のためにと校医を続けているのは事実です。その学校との信頼関係がなくなれば、校医を継続する義務などないのです。やめたければやめる。それでいいかと思います。

 

今回の事件をもとに、校医を辞任するという話はけっこうでてくるかもしれません。

 

学校検診を学校で一律やることはやめたほうがいいです。各生徒に無料検診券のようなものを配り、自分の好きな医療機関で受けたほうがいいです。そうすれば女性の医師がいいという人は、女医さんのところに行けばいいのですから。自分で選びなさいということです。ちなみに市町村の健康診断はそういう形でやっていますよ。もちろん、検診を受けない自由もあります。受けたい人は受けるということでいいかと思います。これにより、予算は大幅に削減できると思います。