子宮頸がんワクチンは再開すべき | 耳鼻科医として、ときどき小児科医として

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以前にアメブロで書いていましたが、一時移籍し、再度ここに復活しました。専門の耳鼻咽喉科医としての記事を中心に、ときにサブスペシャリティな小児科診療のこともときに書いていきます。

 

 

がんを予防できるというワクチンが二つある。

一つはB型肝炎のワクチン。もう一つが、子宮頸がんのワクチンである。がんそのものが起こらなくなるというよりも、がんを引き起こすウイルスの感染を抑えるワクチンなのだ。

 

つまり、ワクチンをうてばそのウイルスに感染予防ができる。ウイルスに感染しなければがんにはならない。こんなところが。

 

世界の多くの国では、子宮頸がんワクチンをうつことで、子宮頸がんがほとんどなくなってしまった。日本でも同様に無料でこのワクチンをうてるようになった。これにより子宮頸がんはなくなると思っていたのだが、、、

 

予想外のことが起こった。このワクチンの副反応だという訴えがあり、定期接種にもかかわらず、ワクチン接種がストップしてしまった。日本医師会も「積極的には推奨せず」という立場をとり、無料でうてるワクチンなのに接種者は激減してしまった。

 

国も、この副反応かどうかがわからないので、しばらくの間検討機関をもうけて、あらためて副反応かどうかの検討をした。その結果、ワクチンの副反応とは認められないという結果がでた。

 

しかし、ワクチンを恐れる人たちにより、このワクチンはたたかれて、接種再開の指令がでても、今もワクチンをうたない人が多い。

 

上記動画に最初にでてくる村中璃子さんは、この問題を的確に指摘して、ジョン・マドックス賞というすぐれた賞を日本ではじめて受賞した。しかし、その後、マスコミ関係にすごい圧力がかかり、『10万個の子宮――あの激しいけいれんは子宮頸がんワクチンの副反応なのか』. 平凡社2018は出版元がなかなか見つからなかった。

 

子宮頸がんワクチン騒動の中、うちそびれてしまった人たちのための、キャッチアップが行われている。今からでも遅くはない。子宮頸がんにならないように、ワクチンをうちましょう。