医療機関がランサムウエアで被害にあいはじめている | 耳鼻科医として、ときどき小児科医として

耳鼻科医として、ときどき小児科医として

以前にアメブロで書いていましたが、一時移籍し、再度ここに復活しました。専門の耳鼻咽喉科医としての記事を中心に、ときにサブスペシャリティな小児科診療のこともときに書いていきます。

 

 

ランサムウエア。簡単に言えば、コンピューターウイルスです。電子カルテなどのシステムを使えなくし、復帰させるために身代金を要求してきます。お金を払えばなにもしないけど、無視するならシステムを破壊したり、内部の情報を漏洩するよということでしょう。

 

単なる脅しのこともあれば、本当にシステムを壊されることもある。被害が莫大になることを考えると、身代金をはらったほうが安いとなってしまうのです。でも、身代金を得る悪者が増えれば、どんどん同じ犯罪が広がっていきます。

 

今やられているのは、ほとんど大病院です。患者数が莫大なので、電子カルテなどを使えないと、診療できないことにより減収がひどいからです。身代金を払ってくれるのではないかと狙われるのでしょう。

 

うちのような個人開業医はあまり狙われません。身代金を請求しても、たいした額を払えないからですね。払えるけど払わないではなく、払えないから払えないになってしまいがちなのです。

 

現状では小さなクリニックよりも大病院が狙われています。しかし、今後小さなクリニックのほうにうつってくるかもしれません。

 

ランサムウエアにやられた時の被害を補償する保険もでてきました。先日その話を耳にしました。電子カルテなどが使えなくなり、入れ替えるということになれば、保険でカバーしてくれるのでしょう。その時、一つ質問させてもらったのですが、「身代金をはらってしまった場合、その費用も保険でカバーしてくれるのでしょうか?」その時には返事をえられませんでしたが、たぶん身代金払うとだめだと思います。それがOKならば、みんな身代金払ってしまうでしょうから。