副鼻腔炎と上咽頭炎 | 耳鼻科医として、ときどき小児科医として

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以前にアメブロで書いていましたが、一時移籍し、再度ここに復活しました。専門の耳鼻咽喉科医としての記事を中心に、ときにサブスペシャリティな小児科診療のこともときに書いていきます。

患者さんにいつも話していることです。

 

EAT(Bスポット治療)をしていない医師は、上咽頭炎の患者を副鼻腔炎と言っていることが多い。

 

副鼻腔炎と言われて、近所の耳鼻科に何ヶ月も通っていたのですが、よくならないので、当院来ました。実はそういう患者が多いのです。

 

その人の症状は、鼻閉、後鼻漏、頭痛、顔面痛などが多いですね。これはすべて副鼻腔炎と同じ症状です。

 

このような患者がくると、こう考えます。

副鼻腔炎だろうか、上咽頭炎だろうか。

両方の病気が考えられるし、どちらの患者も多いからです。

 

その診断に一番有意義なのは、鼻腔ファイバーです。ファイバーを行って鼻の中や上咽頭を確認すればどちらかがわかります。両方悪い人もけっこういます。

 

耳鼻科開業医の9割がEATを行わず、上咽頭炎を知りません。上咽頭炎を知らない医師は、ほぼ副鼻腔炎と診断しています。副鼻腔炎だからと抗生剤を処方し、よくならない人が当院に来るわけです。

 

抗生剤を服用し、よくなった人は副鼻腔炎という診断が正しいのでしょう。良くならない人がたいてい上咽頭炎なのです。

 

上咽頭炎には薬が効かないことがほとんどです。ですから、EATを行ってその治療をしていきます。