ジェネリック薬をすすめるのは、すべて国の方針です | 耳鼻科医として、ときどき小児科医として

耳鼻科医として、ときどき小児科医として

以前にアメブロで書いていましたが、一時移籍し、再度ここに復活しました。専門の耳鼻咽喉科医としての記事を中心に、ときにサブスペシャリティな小児科診療のこともときに書いていきます。

 

 

まずこのことを理解してください。医者が好きでやっているわけではないということです。ジェネリック薬をすすめないと、ダメな状況にされてしまったからです。

 

医者は先発品でだすことも可能です。でも、ジェネリック薬を使わずに先発品をだすには、「〇〇という理由で、先発品を使わなければならない」ということを毎回処方箋に書かなければならないルールにされました。多くの処方箋を出す中で、毎回毎回このようなことを書くのは面倒なのです。その結果が、ジェネリック薬になるわけです。

 

僕の場合、以前は信頼できるジェネリック薬を選択して処方していました。このジェネリック薬なら問題ないと太鼓判を押したものだけ、処方していたのです。ジェネリック薬のほうが薬代が少し安くなりますから、いいジェネリック薬は使っていきたいという措置です。

 

ところが、ジェネリック薬はみんな同じだから、特定の薬をだすのはけしからんと、ダメになってしまったのです。このため、ジェネリック薬を選べなくなりました。そうなると、自分が処方箋をだしたところがどのジェネリック薬をもっているかで、処方内容が決まってしまいます。質のいいジェネリック薬もありますが、質の悪いものもあります。何をだされるかは患者はわからないわけです。質の悪いジェネリック薬ほど安くてもうかったりするので、質の悪いジェネリック薬をだしたがる薬局も多いのです。医者としてはそんな薬局たまったものではないのですが、医者は薬局を選んではいけない。ジェネリック薬も選んではいけない。それが国の方針です。

 

自分がかかる医療機関を選ぶとき、あそこの医者がいいからと選びますよね。薬局の場合はどうでしょうか。いい薬局だからと選ぶわけではなく、空いているからとか、近所だからと選んでいます。しかし、薬局がどのような姿勢でいるかによって、いい薬局、悪い薬局が分けられるのです。多くの患者さんはそんなこと考えないでしょうけど。

 

どこの薬局でも出される薬は同じだと思うかもしれません。先発品ならばその通りです。しかし、ジェネリック薬となると、様々です。薬剤師さんがとても良心的な人でも、会社の方針にしたがい、効かない薬をださざるをえない場合もあるのです。