若い人は厚生年金のことをまったく考えない | 耳鼻科医として、ときどき小児科医として

耳鼻科医として、ときどき小児科医として

以前にアメブロで書いていましたが、一時移籍し、再度ここに復活しました。専門の耳鼻咽喉科医としての記事を中心に、ときにサブスペシャリティな小児科診療のこともときに書いていきます。

 

 

大きな企業の場合、国民年金+厚生年金が普通です。小さな会社の場合には、国民年金しか加入させません。というのは、厚生年金は個人の負担分と同じ額を会社が負担しないといけないのです。そのため、かなりの費用が増します。従業員雇用の経費が高くなるので、一般的にはパート(週の勤務時間を少なくする)をたくさんやとって、まわすのです。そうすると、厚生年金どころか、医療保険料も本人に払わせればいいからです。これにより、従業員にかかる経費がぐっと抑えられます。その分を本人の給料にプラスしてあげればいいのです。朝三暮四ではないけれど、手取りが増えるとみんな喜びますからね。

 

従業員募集の案内がでたとき、給料の額しかみない人がけっこういます。給料が高いからこの会社がいいとか思うのですね。実際には、この分の年金などを節約するので、個人に渡す給料を高くできるのです。ただし、自分が年金をもらうときになると、年金額が安いことに愕然とします。これでは生活できないということになるわけです。それと言うのも、若い時に手取りの多い会社で勤めていたことの弊害です。こんなこと会社は説明しません。自分で理解するしかありません。

 

クリニックの場合には、ほとんどパート採用です。保険料も、年金もクリニックがかかわっていないところが多いのです。保険料や年金を会社が負担するところは、手取り額が低くなりますから、この会社の給料が安いという不満になり、他のところに転職していくことになりかねません。

 

よくわかっている人は、社会保険に入れるのかどうかを必ず確認します。入れないところは長く勤めるべきではないでしょう。

 

当院の話をすると、看護師3人がパートですが、残りの看護師(3人)と事務員はみんな常勤の正職員です。つまり、厚生年金もこちらで負担しています。パートの看護師も、勤務時間の関係でパートでいるのです。もっと働けるのならば常勤になってもらいたいのですが、個人の都合ですね。