日本のある大学病院から、コロナ後遺症の論文が発表されたそうだ。それをざっと読んで当たり前のことばかり書いてあった。予想通りに結果であるというのが自分の意見なのだが、大病院の内科医師にとっては、驚くべき結果だとでも思っているのか。こういう論文を見ると、自分のコロナ後遺症診療は10歩先を行っていると思わざるを得ない。
アルファ、デルタなどの初期のコロナと、オミクロンの今のコロナはまったく違う。障害部位が違うからだ。
初期のコロナは、肺や心臓、血管などの臓器がやられた。このため、後遺症としては、呼吸器系や循環器系などがメインであった。
今のオミクロンは、のどがやられる。後遺症の多くは、上咽頭の炎症が残ったものである。このため、上咽頭炎の症状が多い。
この論文によると、頭痛、めまい、不眠などの症状が今は多いと言っている。それは上咽頭炎の典型的な症状だからだ。
また、嗅覚・味覚障害に関しては、初期も今のオミクロンも大して差はないということも書いてあった。
それもそのはず、これは上咽頭炎の症状ではないからだ。むしろ、コロナウイルスが直接嗅覚知覚に関する脳の部位を障害することが証明されているようだ。この脳障害は、初期のコロナも、オミクロンも変わらないのだろう。だから、オミクロンだからとその頻度が増えてはいないということだ。
普段の診療で、上咽頭炎の症状は、Bスポットでだいたい治ると言っている。ただ、味覚・嗅覚障害にはあまり効果は期待できないとも説明している。この論文が自分の考えを裏付けているように思う。
コロナ初期の、肺や心臓の障害も、Bスポットでは改善は認めないことだろう。ただ、今のオミクロン後の後遺症は上咽頭炎の残存症状なので、Bスポットでかなりよくなると思っている。
オミクロンが広がるようになり、後遺症の人の数は激増した。味覚・嗅覚障害以外はたぶん治ると思うと、みんなに説明している。Bスポット治療で目覚ましい治癒率を達成できるのだが、実際に今でもかなり時間がたたないと、Bスポット治療をしに来ない人も多い。それは後遺症を診ている内科医からは、信じられないからなんだろうと思う。すぐにBスポット治療を勧めているのは、聖マリぐらいではないだろうか。