尾身さん、政府コロナ対策のトップから降りる | 耳鼻科医として、ときどき小児科医として

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以前にアメブロで書いていましたが、一時移籍し、再度ここに復活しました。専門の耳鼻咽喉科医としての記事を中心に、ときにサブスペシャリティな小児科診療のこともときに書いていきます。

 

 

先日、尾身さんが、政府の「新型コロナウイルス感染症対策分科会」会長から降りました。かなり高齢ということもありますが、感染症や公衆衛生を熟知したトップ医師としてすぐれた適任者だと思います。

 

コロナをまじめに診ている医師で、尾身さんを悪く言う人はいないでしょう。先頭にたって頑張ってきたと思います。お疲れさまでした。

 

コロナによる自粛をけしからんとする人たちからは、戦犯のように扱われ、脅迫されたりもしたようです。それでも自分の信念は変えなかったですね。

 

ただ、立場はあくまでも政府の分科会のトップですから、政府が要らないと思えば首にされます。

 

コロナは怖い。至急対策が必要だ。このように思われていたときは、政府の考えと尾身さんの考えは一致していました。コロナが長引くにつれて、明らかに方向にズレが生じてきました。医師としてコロナを甘くみてはいけないと言い続けてきた尾身さん、もうコロナのことはうるさくいうのをやめて、早く経済を回復させようとする政府。尾身さんがだんだん邪魔な存在になってきたのでしょう。

 

尾身さんの後釜人事をみてみるとよくわかります。五十嵐隆医師。小児科医師で、元東大教授。専門は腎臓。数々の肩書をもつ人ですが、そもそもコロナとは遠い分野の人です。コロナで大変なのは高齢者。高齢者とはまったく遠い小児の専門家をおく。呼吸器系教授ならまだしも、腎臓は感染症とはほど遠いですからね。コロナに関してあまり詳しくない人をトップに添えて、政府主導のコロナ対策にしたいのでしょう。