無料PCR検査の不正はどんどん増えるだろう | 耳鼻科医として、ときどき小児科医として

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以前にアメブロで書いていましたが、一時移籍し、再度ここに復活しました。専門の耳鼻咽喉科医としての記事を中心に、ときにサブスペシャリティな小児科診療のこともときに書いていきます。

 

 

このような無料PCR検査が東京都内にどんどんできた。診断や診療行為ではないので、医療資格を持たない人がどんどん参入をはじめた。

 

医療者は、不正行為はよくないだろうと自制がきく。しかし、医療者でない人はもうかればいいんだとひどいことをどんどん行う。

 

すべての業者がこうではないのだと思いたいが、けっこうな比率で行われていたそうだ。

 

無料PCR検査は一件やるごとにいくらの補助金がもらえると決まっている。これは都道府県などの行政が金をだしているので、すべて税金である。税金をだして、無料の検査が受けられるようにしているのだ。

 

昔、この無料PCR検査を運営している医療法人の医師がぼやいていた。検査を受けに来る人が少なくなると、人件費、場所代などを考えると、とてもこの値段では請け負えない。ほとんどボランティアに近いそうだ。その数を増やすにはどうするか。簡単である。検査をしたことにして、申請すれば申請数に応じてお金がもらえる。だから、どんどん不正をやり続けた。

 

某無料PCR室でコロナ陽性と言われた患者が当院にきた。当院でやったら陰性だった。同じところで検査をした人が続々と同じように陰性になる。そこの検査場では、かなり適当にやっているんだなと予想はできた。このときは、検査の手技が悪いから、結果が違ってくるのだと思い込んでいた。

 

しかし、これだけの不正があるようだと、そもそも最初からまともに検査をしていないのかもしれない。

 

誰もお天道様のことなど、気にしないのだから。