この訴訟は大きな影響を与えそう | 耳鼻科医として、ときどき小児科医として

耳鼻科医として、ときどき小児科医として

以前にアメブロで書いていましたが、一時移籍し、再度ここに復活しました。専門の耳鼻咽喉科医としての記事を中心に、ときにサブスペシャリティな小児科診療のこともときに書いていきます。

 

 

医者は、患者の年齢や状態を見極め、このようなときに救急蘇生をするかどうかを決定する。

 

DNAR :Do Not Attempt Resuscitation 

つまり、本人が救急蘇生を求めないという意思表示のことである。

 

米国では、DNARの意思表示がなされている患者には一切の救急蘇生をしない。逆にその意思表示がなされていない患者には、救急蘇生をする。逆は許されない。逆をすればすぐに訴えられる。

 

日本においては、DNARの意志表示は一般的ではないことが多い。つまり、医師のその場の判断でするかしかないかを、医師自身が決めている。

 

記事を読む限りでは、患者は救急蘇生を望んでいたが、医師はする必要がないと判断して、救急蘇生をしなかった。だから訴えられたと言うことであろう。

 

このような訴訟例がでてくると、事前に全員が心肺停止したときに、救急蘇生をするかどうかを決めておく必要がでてきそうだ。それに伴って、対応を変える米国式になるだろう。