開業して20年近く、ずっとペニシリンを使い続けています | 耳鼻科医として、ときどき小児科医として

耳鼻科医として、ときどき小児科医として

以前にアメブロで書いていましたが、一時移籍し、再度ここに復活しました。専門の耳鼻咽喉科医としての記事を中心に、ときにサブスペシャリティな小児科診療のこともときに書いていきます。

20年ほど前に開業して、そのころからずっとペニシリンを使いつづけています。当時は、ペニシリンを使う医師は非常にまれだったと思います。周辺のクリニックではほとんどいませんでしたね。

 

ペニシリンは耐性菌を生み出さないと言うメリットがあるのですが、下痢の頻度はすごく高いのです。一方、セフェムは下痢が少ないのですが、あまり効かないのです。

 

「うちの院長は、患者のことを考えているから、下痢をしない薬(セフェム)とオゼックスをだすんだ」と当院の悪口を言いふらされていました。その医者にとっては、ペニシリンをだす医者は患者のことをまったく考えていないとひどい医者だと言いたいのでしょう。残念ながら、それに騙されている患者はけっこういます。実際に、ペニシリンは下痢しますからね。効かないセフェムのほうがいい薬なんです。効かないけど、下痢の副作用は少ないから。

 

今は近所でもペニシリンを出す医者がポツポツでてきましたが、それでも一番多いのは、第三セフェムです。学会などで、「第三セフェムは出さないように」といくら警告がでても、変わらない医者はかわらないですよ。

 

そのペニシリンが一気に不足気味になりました。使う医者が増えたということがあるのでしょう。近所の医者ではそんなに増えたという印象はないですが、知念医師は東京の西のほうで診療していますから、そこではみんなペニシリンなんでしょうかね。さすがに、西は医療レベルが高いですね。そんなにペニシリン使用が増えているとは、東にいると気づきません。まだまだ全国的には第三セフェムだと思いますけど。