麻疹の一発診断はまずできません | 耳鼻科医として、ときどき小児科医として

耳鼻科医として、ときどき小児科医として

以前にアメブロで書いていましたが、一時移籍し、再度ここに復活しました。専門の耳鼻咽喉科医としての記事を中心に、ときにサブスペシャリティな小児科診療のこともときに書いていきます。

麻疹(はしか)をいつみるかにもよるのです。麻疹というと、体の発疹がでてくるものだと多くの医者も思っていることでしょう。これは麻疹が症状がでて、後半の話なのです。前半は熱ぐらいしかないのです。

 

自分の麻疹を診察した経験を書きます。

 

20歳前ぐらいの女性でした。40度近い熱があり、受診してきました。インフルはシーズンオフだし、なんだろうか。悩んでいました。高熱と、倦怠感が主な症状です。患者さんを目の前にして悩んでいた時に、一本の電話が。

 

皮膚科外来からの電話です。

「その人の姉が今皮膚科を受診してきたのだけど、麻疹だ。」という注意勧告の電話です。姉は皮疹がでて皮膚科にいったんですね。熱だけのほうが耳鼻科にきた。皮膚科からのこの電話で、すべてわかりました。

 

姉が高熱がでて苦しんでいるので、妹が泊りがけで看病していたそうです。妹のほうが発症が遅いのです。だから、皮膚に所見がない。

 

麻疹の人と接したとうような情報がなく、熱だけできたらまず見抜けないことだと思います。

 

このとき、自分は感染しなかったので、麻疹の抗体をもっていたのでしょう。子供のころに、麻疹にかかったというようなことを母親が言っていたような気もします。