東京新聞コロナ後遺症特集 | 耳鼻科医として、ときどき小児科医として

耳鼻科医として、ときどき小児科医として

以前にアメブロで書いていましたが、一時移籍し、再度ここに復活しました。専門の耳鼻咽喉科医としての記事を中心に、ときにサブスペシャリティな小児科診療のこともときに書いていきます。

昨日より、東京新聞で新型コロナ後遺症の特集を4回セットでのせはじめた。昨日は一面、今日は広島サミットに一面をとられ、社会面においやられている。これを読むと、多くの人が驚くに違いない。

 

ヒラハタクリニックの症例がデータにのっている。ヒラハタクリニックに受診してきた後遺症患者のうち、6割ほどが仕事の退職などに追い込まれているというのだ。もちろん、平畑先生のところを受診する患者は症状が重くて長引く人であろう。ただ、ここで診てもらえる人は非常に少なく、もっと多くの後遺症患者がいるに違いない。

 

オミクロン前と、オミクロンとの比較データを見てみると、後遺症のでる率はそんなに変わっていない。しかし、オミクロンは患者の母数が多くなっただけに、オミクロン感染後に悩んでいる人が多いはずである。

 

当院にも頻繁に後遺症で受診してくる人がいる。最近は軽い人が多く、他のクリニックで後遺症どころか、コロナとの関係すら疑われずに治療されているケースが多い。怪しいと思い、こちらで聞いてみると、コロナに感染した人がほとんどである。コロナ感染後からずっと悪い人は、さすがに見逃されないのだが、時間がたってから後遺症症状がでてくる人がいて、よくならないと当院にやってくる。

 

コロナの後遺症と言っても、多くの医者はよくわかっていない。ブレインフォグや嗅覚・味覚障害あたりになると、どの医者も知っているかもしれないが、実に多彩な症状がでてくる。

 

コロナの後遺症ほど埋もれやすく、見逃されている病気もないかもしれない。おそらく、耳鼻科や内科の医師であれば、必ず数人は後遺症患者をみていると思う。不定愁訴のように思われてしまい、スルーされているような気がしている。