反戦、反核主義は、はだしのゲンから | 耳鼻科医として、ときどき小児科医として

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以前にアメブロで書いていましたが、一時移籍し、再度ここに復活しました。専門の耳鼻咽喉科医としての記事を中心に、ときにサブスペシャリティな小児科診療のこともときに書いていきます。

 

 

自分の中の、反戦、反核思考は、ふたつの漫画による。一つがこの「はだしのゲン」。原子力爆弾の威力をまざまざと知るきっかけになった。小学校中学年ぐらいだったかもしれない。多くの子供にこの「はだしのゲン」を読んでもらいたいと思う。表現がきついから子供には見せられないというのであれば、現在の戦争の報道をニュースで流すのはどんなものなのだろうか。漫画の表現よりもリアルな映像のほうがもっと衝撃的である。広島の原爆資料館にはこのときの写真などもかなり展示してあるはずだ。ただ、衝撃的な写真などは掲載をやめたというようなニュースも聞いたことがある。米国大統領バイデン氏も原爆資料館を訪れたことだろう。米国を配慮して、きつい写真は撤去してあるのは予想できるが。

 

もう一つの漫画は、「ハレンチ学園」。ストーリーの最後に、ハレンチ学園と、教育委員会が全面戦争に突入する。教育委員会が、この漫画を徹底的に批判してきたことへの、皮肉ストーリーである。そして、ハレンチ学園のメインキャラクターをことごとく、殺してしまう。もちろん、教育委員会側によって殺されるのだ。自分が愛したキャラクターたちが、この戦争で一気に失われる。戦争の悲惨さを十分に理解した。自分の愛する人たちが、一気に亡くなってしまうのだ。

 

広島だけのローカルニュースではあったが、教材削除によりあらためて「はだしのゲン」が知れ渡ることになった。全国の子供たちに、この「はだしのゲン」を読んでもらうきっかけになったようだ。

 

教材削除の理由が、ただの思想対立なのだとしたら、本当にがっかりする話である。