耳鼻科医にも専門性がある | 耳鼻科医として、ときどき小児科医として

耳鼻科医として、ときどき小児科医として

以前にアメブロで書いていましたが、一時移籍し、再度ここに復活しました。専門の耳鼻咽喉科医としての記事を中心に、ときにサブスペシャリティな小児科診療のこともときに書いていきます。

内科医にも専門があり、消化器、循環器、呼吸器、神経、糖尿病、膠原病などの専門領域がある。大病院にいれば、自分の専門領域だけを診ていればいいが、いざ開業すると、自分の専門領域以外はお粗末な人が多い。内科と言っても、消化器しかわからないという医者がかなりいるのだ。自分の専門以外の領域に関しては、開業してから自分で勉強してがんばるしかない。

 

実は、耳鼻咽喉科にも専門があり、耳鼻咽喉科だからすべての病気がわかるだろうと思っているが、専門が違う病気だと、けっこうお粗末なのだ。

 

中耳炎、副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、頭頚部ガン、めまい、難聴、音声あたりに分類される。若いうちは、その専門領域のみを頑張って学ぶが、開業するとどんな患者がくるかわからない。開業してからいろいろな知識を勉強するしかない。

 

つまり、耳鼻科医と言えども、自分の得意な専門領域があり、そこからはずれると、知識も経験もお粗末な開業医が多いのが実情なのだ。

 

僕自身の専門は、難聴・補聴器である。その方面になると、やはり詳しいので、説明も多くなりがちである。

 

先日、扁桃炎で受診してきた患者がいた。一発で治したので、のどの専門の医者だと思ったと言っていた。次に来たのは難聴の病気だったので、そっちの説明に熱が入ってしまう。

 

急性扁桃炎の点滴治療、慢性上咽頭炎へのBスポット治療、コロナの診断・治療、小児の感染症治療、喘息の治療。こんな症状で受診してくる人も多いが、実は自分の専門外なのです。もっとも他の耳鼻科もたぶん、ほとんど専門外だと思います。

 

専門外なのに治療ができるのは、ほとんど開業してから学んだからです。専門領域は開業前にさんざん学びますからね。