昨日は仕事が休みだったので、何冊かの本を読んでいた。そのうちの一冊が、おおたわ史絵医師が書いた「プリズン・ドクター」(新潮新書)である。
刑務所に収容された人をみる医師のことである。おおたわ医師は、テレビなどによくでていた医師であり、自宅の後をついで開業したというところまで聞いていたが、そこをたたんで刑務所の医師になったようだ。その刑務所内のことを書いている。
昔、若いころ自分が勤めていた病院の近くに刑務所があった。そこの受刑者がたまに受診してくる。内科の診察であれば刑務所内で、プリズン・ドクターに診察してもらうのだろうが、耳鼻科医は中にはいないので周辺の医師の診察を頼むのだろう。
一般外来の時だとまずいので、診察のない午後などにこっそり受診してきてもらう。本人とそれにつきそってくる刑務官が、誰もいない診察室に入ってくる。
刑務所内のカルテのようなものを見せられる。そこには、罪状なども書いてある。
記憶にあるのは、女子高生のようなかわいい女の子。たしか未成年だったと思うのだが、刑務所に未成年が入れるのか、今になると疑問。未成年収容施設も一緒にあったのかもしれない。罪状が「強盗」とか書いてあるので、目の前の女の子がそんなことをするのかとビックリしたことがある。
未成年犯罪者の多くが、不幸な家庭環境に生まれているそうだ。幸せな家庭に生まれていれば、こんなことにはならなかったんだろう。決して本人だけが悪いんじゃない。
