全日ろう連の対応を支持できないものかね | 耳鼻科医として、ときどき小児科医として

耳鼻科医として、ときどき小児科医として

以前にアメブロで書いていましたが、一時移籍し、再度ここに復活しました。専門の耳鼻咽喉科医としての記事を中心に、ときにサブスペシャリティな小児科診療のこともときに書いていきます。

 

 

デフリンピックで日本選手団に多くの感染者がでたため、大会を辞退することになった。これが全日本ろうあ連盟の決断です。

 

もちろん、選手を参加させたいという方向で、選手団の中で協議されてきたのだとは思うが、苦渋の決断をしたのであろう。

 

どういう根拠をもとに、判断したのかはよくわからない。しかし、決断した以上はそれに従うべきだと思う。

 

一般人の感覚としては、検査で陰性だったら、参加させるべきだという。

 

しかし、感染した選手たちが、その人たちと自由に交流していたら、他の選手に容易に感染する。ブラジルという国は、大統領の影響からか、感染予防意識の低い国である。その国に行けば、日本人も感染予防意識は低くなる。選手間で、容易に感染が広がることは想定できる。

 

コロナには潜伏期間がある。1~5日ぐらいが潜伏期間であろうか。感染してもすぐには症状がでないし、症状がでないときにPCR検査をしても陰性になってしまう。今の時点で陰性であっても、感染していれば明日どうなるのかわからないのだ。

 

オリンピックのときには、選手は毎日検査をしたのではないだろうか。ではデフリンピックはどうなのかと言えば、それだけの予算があるのかどうか。国際的な巨大大会と、小さな大会では予算規模があまりにも違いすぎる。それを同じように検査をすることにも無理がある。

 

最悪の感染広がりを視野にいれ、最初から違うスポーツ同士が接触することをさける措置をとる手はあった。東京オリンピックのときには、ホテルからでることが禁じられたりしていたはずだ。選手同士があつまらない、毎回コロナ検査をする。そのような措置ができての、大会参加。デフリンピックのときには、海外の国でどのような措置をとっていたのか。それを把握した上での、大会辞退であろう。

 

大会辞退したとしても、これから感染者が続々とでてくることは容易に想像できる。体調が悪化する前に、日本に帰ったほうが望ましいとは思う。

 

コロナが終息する前のデフリンピック。東京や北京のように厳重な感染防御対策をすべきだったのだろうが、きちっと守る人がどれだけいるかわからない。大会辞退は賢明な事後措置だったことだろう。