コロナ感染者を家庭で責めるべきではない | 耳鼻科医として、ときどき小児科医として

耳鼻科医として、ときどき小児科医として

以前にアメブロで書いていましたが、一時移籍し、再度ここに復活しました。専門の耳鼻咽喉科医としての記事を中心に、ときにサブスペシャリティな小児科診療のこともときに書いていきます。

オミクロンは感染力が強く、家庭内感染を容易に引き起こします。ただ、誰が最初の感染者かわからないことがよくあります。

 

最初に高校生の子供が陽性になりました。その子が学校でウイルスをもらってきたと思っていたのです。濃厚接触者として家族を検査しました。そうしたら、父親も陽性。よくよく聞いてみると、父親のほうが症状がはやくでている。熱がでたけどすぐに下がってしまったので、症状がでたことそのものを忘れているわけです。父親のほうが先に感染したのかもしれません。

 

親が咳などの症状がでました。PCR検査をしたが陰性。コロナではないとの判断。その後、子供らが症状がでました。こっちは陽性の反応がでました。最初に症状がでたのは親のほうですが、検査をして陰性になったので、感染していないという判断になったのです。

 

最初にコロナと診断を受けた人が、家庭内にウイルスをもちこんだと思われがちですが、そうでない可能性もかなりあるのです。しかし、最初に検査を受けた人が感染したことを家族からなじられてしまいます。特に子供の場合には、他の家族からなじられれば、それがトラウマになる可能性すらあります。誰が最初に感染したかを追求するのはよくありません。たまたまその人が最初に感染しただけです。今の状況ではだれがいつかかってもおかしくないのです。自分が最初の感染者になり、他の家族からなじられることを想像しましょう。誰が最初に感染しても、その人をカバーする。そういう家族であるべきです。