若いときに、餅をつまらせてきたお年寄り。そのケースをもう少し説明したいと思います。
餅をのどにつまらせてきた80代のお年寄り。家族が救急車をよび運んできました。
その地域では、「餅は食べるもの」ではなく、「餅は飲み込むもの」だそうです。餅を細長く伸ばして、ズルズルと一気に吸い込む。のどを餅が入り込んでいくのがいいのだそうです。噛むのは邪道なのでしょう。
家族の発言です。
「納豆餅だから、ツルッと入ってつまらないはずなんだけどなあ。」
ネバネバした納豆を餅にまぶして食べる習慣があります。納豆をまぶすことにより滑りがよくなり、のどにつまらない。そのように家族が言っていました。
お年寄りがなぜ餅をのどにつまらせたのか。誰も理解していないようです。
よくかんで食べれば餅をひっかけないし、お年寄りの場合には、自分で噛む力が落ちているので、最初から細かくきっておけばいいのです。
関西から恵方巻きを食べる習慣が入ってきました。巨大な恵方巻きを噛み切らずに食べないとならないとか。誰がこんな無謀なルールをきめたんでしょうね。よく噛んで少しずつ味わえばいいのに。食べ物というのは、基本的に噛んで味を舌で感じるものです。噛まなければ、味なんてほとんどわからないことでしょう。
早食い王というテレビ番組が昔多くありました。ホットドックのようなものを口に一気に頬張って、飲み込んでしまいます。噛んでいると時間がかかるので、ほとんど飲み込みます。のどまでいれたものは噛めないですからね。この番組を見て真似する人に、のどにつまらせる人がけっこうでてきたようです。このため、今はこの手の番組はほとんど作られなくなりました。子供が真似するからですね。
よく噛んで食べる。お餅に限らず、多くのものがそうです。蕎麦ならともかく、餅を大きな塊のまま飲み込むのはアウトです。特にお年寄りは。このことをどれだけの人が知っているのか。知らない人が餅をのどにつめて窒息して救急車を呼ぶのです。