ワクチンについての思い込み | 耳鼻科医として、ときどき小児科医として

耳鼻科医として、ときどき小児科医として

以前にアメブロで書いていましたが、一時移籍し、再度ここに復活しました。専門の耳鼻咽喉科医としての記事を中心に、ときにサブスペシャリティな小児科診療のこともときに書いていきます。

コロナワクチンに関して、多くの人が思い込んでいることがあるので、ここに改めて注意勧告しておきます。

 

1)医療者はワクチンを必ずうっているという思い込み

 反ワクチン思想の医者も、ワクチンが怖いとうってくれない医療者はけっこういます。どこの医療機関でも、「うちの職員がワクチンうってくれないんだよ」というぐちはききますね。院長そのものが反ワクチンだと、職員に「うったらクビ」とまで言って打たせないところもありますからね。ですから、医療職がワクチンみんな打っていると思うのは大きな誤解です。おそらく接種率は8割ぐらい。当院は全職員みな2回うち終わっていますよ。協力的な職員ばかりなのでよかったです。

 

2)ワクチンをうったら全員抗体がつくという思い込み

 B型肝炎ワクチンは2回うつことになっています。大人のB型肝炎ワクチンって抗体つきづらいのです。2回うち終わったら抗体検査で確認して、抗体ついていなければ3回めもうちます。これはけっこう常識的な話です。

 つまりワクチンうっても、抗体つかない人っていうのがかならずいます。コロナではどれぐらいいるのかわかりませんが、100%抗体がつくわけではないということは覚えておきましょう。ですから、ワクチンうったのに感染して死亡したということも有り得る話なのです。

 

ファイザーワクチンの有効性は95%だと言われています。他のワクチンに比べると、むちゃくちゃ高いのですが、100%ではないということは頭にいれておきましょう。

 

医療者だからワクチンうっているでしょう。

ワクチンうっているのに死ぬ人がいるじゃないか。

このような思い込みからくるものです。

 

反ワクチンの人は、ワクチンうっても死ぬ人がいるんだから、ワクチンはまったく意味がないといいはじめるのです。

 

シートベルトをしていても交通事故で死ぬ人がいるのだから、シートベルトを廃止しろと言っているようなものです。死ぬ確率を減らすことができるのですが、そんなこと関係ないようです。