血管迷走神経反射で倒れる人がけっこういる | 耳鼻科医として、ときどき小児科医として

耳鼻科医として、ときどき小児科医として

以前にアメブロで書いていましたが、一時移籍し、再度ここに復活しました。専門の耳鼻咽喉科医としての記事を中心に、ときにサブスペシャリティな小児科診療のこともときに書いていきます。

耳鼻科の医者は、血管迷走神経反射で倒れる患者をよく見ます。コロナワクチンをうつときに、同じようなことが起こるのです。

 

耳鼻科医の場合には、扁桃周囲膿瘍切開を行っているとき、細型の背が高い若い男性に多いですね。痛みと恐怖で、血圧下がるのです。その結果、脳に血液がいかなくなり、顔が真っ青になり意識がなくなります。気づくとぐったりしているってパターンです。この場合、すぐに横にすれば、意識はすぐ戻ります。しばらく寝かせておけば大丈夫です。何もしなくてもそれだけでじきに元気になります。

 

実は、コロナワクチンのときにも、同じようにバタッと倒れてしまう人がいます。注射した瞬間が危ないのです。ちなみに、アナフィラキシーショックは、すぐにはでません。うってからしばらくして、普通は15分以内と言われています。つまり、うった直後に意識なくなるのは、まず血管迷走神経反射です。命にはまったく問題ありません。

 

以前に外国の動画で見たのですが、コロナワクチンをうったときに、崩れるように倒れてしまったのです。その動画がアップされていて、こんなに危険なワクチンだからすぐにやめろち言っているわけですね。この倒れた人は、血管迷走神経反射で、すぐに意識がもどり(数十秒ほどで)、命にはまったく問題なかったそうです。

 

ここらへんも、医学を知っている人にはよくわかっていることなのですが、素人が見るとね。しかも、動画が途中で切り取られてしまうと、死んだかのようにとらえられてしまいます。意図的に動画編集しているんでしょうけどね。

 

医学部時代の研修のときにもありました。検査の実習で、医学生同士がお互いに血液を注射器でとるということをやっていました。同級生の一人が、その場に倒れてしまったのです。これも同じ現象です。

 

とくに、相手が下手くそで不安が強いときなどに起こりやすいのです。あと、起き上がった状態もまずいのです。当院でも毎年インフルワクチンをうって倒れる人がいて、今は横になった状態でワクチンをうつようにしています。そうすると、大丈夫なのです。

 

過去にこのように倒れたことがある人は、横になってワクチンをうつといいのです。

 

子供はたいてい大丈夫です。注射に大泣きして血圧あがっているから。大人の場合が危ないのです。緊張して黙っている人は要注意ですね。何か話しかけながらやると、リラックスして大丈夫です。