自分が高校生の頃だっただろうか。朝日新聞に「中島らもの明るい悩み相談室」というのが連載されていた。作家の中島らもさんが、読者にいろいろな悩みに答えていくものである。今でも覚えている名作が次のようなものだ。
祖母から「じゃがいもを焼いてみそをつけて食べると死ぬ」と聞いた。「迷信だ」というと「本当だ」と真剣に言い張る。ホントに死ぬのでしょうか?
らも氏の答えはこうだ。
それは本当のことです。焼きじゃがいもに味噌をつけて食べた大多数の者が高確率でいずれ死に至ります。今年九十八歳になるおじいさんなのですが、友人が診たときにはすでにご臨終でした、亡くなる前にひとこと、「おのれ、あのとき、わしが十二のときに焼きじゃがいもにみそをつけて食いさえせなんだら死なずにすんだものを」と言い残して逝去されたそうです。この実例から明らかなように、じゃがいもを焼いて味噌をつけて食べると必ず死にます。
この回答が新聞にのると、読者からの疑問と不安を訴える投書が殺到したそうである。今で言う、炎上である。朝日新聞社は、焼きじゃがいもに味噌をつけて、らも氏に食べてもらい、事態の収拾をはかったそうだ。
「コロナワクチンをうつと死ぬのでしょうか?」
うった人は必ず死にます。たとえばあなたが、60歳だとします。おそらく、30年後ぐらいまでに亡くなることでしょう。「30年前にコロナワクチンをうたなければ大丈夫だったのだが、まさか30年もしてワクチンの副反応がでてくるとは。」と後悔しながら、臨終を迎えることでしょう。
昔も今も、人の頭の中はそんなに変わっていないようだ。