「扁桃炎です」と受診した患者 | 耳鼻科医として、ときどき小児科医として

耳鼻科医として、ときどき小児科医として

以前にアメブロで書いていましたが、一時移籍し、再度ここに復活しました。専門の耳鼻咽喉科医としての記事を中心に、ときにサブスペシャリティな小児科診療のこともときに書いていきます。

扁桃炎が腫れていて、痛いです。

このような症状で受診してきた患者がいた。

耳鼻科→内科→耳鼻科→そして当院

2週間前から受診し、当院が4軒目である。すべてのクリニックで抗生剤が出されているが、よくならない。

 

口の中を一目みて、ほぼ診断は確定。

EBウイルス感染症。

たしかに扁桃炎はあるのと、抗生剤がまったくきいていない。

これが診断の根拠。

 

確認のため、院内採血。

リンパ球が異様に増えている。

まず、間違いあるまい。

EBウイルスによる扁桃炎。

確認のため、ウイルス抗体価などを追加検査施行。

 

内科ではコロナが疑われPCR検査までしたらしい。

 

熱があるとコロナの可能性を考えるのも間違ってはいない。しかし、この扁桃炎があるのに、どうしてコロナを考えるのかと大いに疑問。よくも3か所もすり抜けてきたなと思う。

 

EBウイルス感染はそんなに珍しい病気ではない。耳鼻科医だったら、誰でも知っていると思うのだが、2か所の耳鼻科では考えなかったのだろうか。それが不思議。