咳喘息を見抜くには | 耳鼻科医として、ときどき小児科医として

耳鼻科医として、ときどき小児科医として

以前にアメブロで書いていましたが、一時移籍し、再度ここに復活しました。専門の耳鼻咽喉科医としての記事を中心に、ときにサブスペシャリティな小児科診療のこともときに書いていきます。

喘息の診断に、呼気NOを用いているが、実はこのような検査を使わなくても、喘息っぽい咳はかなりわかる。疑うポイントを個々に書いてしまう。本当は自分の診療経験から得たものだから、無料で書くのは損なのかもしれない。しかし、僕のブログを読んで明日からその経験をいかせる医者がでてくるのならば、そのほうがよっぽど社会の役に立つ。そんな理由で書いていく。

 

主に大人のケースだと思ってください

  • 子供のころに小児喘息だった
  • 他にアレルギーの病気がある(アレルギー鼻炎、蕁麻疹、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーなど)
  • 風邪のあとに咳が長引く
  • 眠れないようなひどい咳
  • 咳が長引くことがよくある
  • 痰がからんだ咳
  • 夜から朝方にかけて咳がひどくなる
  • 話をするとひどい咳がでる
  • ひどい咳が連発し、その後しばらく咳がおさまる
  • ヒューヒュー、ゼイゼイする
  • 他院で気管支炎と言われた
  • 吸入薬がだされている
患者の話を聞いていて、このような感じがある場合には、それだけで喘息をかなり疑います。疑ったら、呼気NO検査で確認します。数値があがっていれば、喘息と診断します。
 
ついでに言っておくと、当院に流れて喘息と診断されているケースの多くは、抗生剤と咳止めがだされ、よくならないために受診してきます。喘息様の吸入薬が処方されているケースも多いのですが、ほとんど喘息という診断名は言われずに薬だけをだされています。
 
内科で咳が治らず、鼻が悪いから耳鼻科に行けと言われる。そして当院に来て、喘息の診断。これはよくあるパターンです。副鼻腔炎なども咳もでますが、あまりひどい咳にはならない印象があります。