麻疹(はしか)の感染力 | 耳鼻科医として、ときどき小児科医として

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以前にアメブロで書いていましたが、一時移籍し、再度ここに復活しました。専門の耳鼻咽喉科医としての記事を中心に、ときにサブスペシャリティな小児科診療のこともときに書いていきます。

麻疹の感染力は強い。今日のテレビでもやっていたが、その理由は空気感染するからだ。近づかなくても、空気を介して感染すると言われている。

 

医療従事者が麻疹に感染を起こすケースがある。医療従事者はいまどき、麻疹のワクチンを打っておくべきである。これは最低限の義務である。いつ麻疹患者が来るか、わからないので、麻疹の感染を広げないために、医療従事者の最低限の義務である。

 

当院では職員は麻疹などの検査を行い、抗体が低い場合にはワクチンをうつ。以前に勤めていた病院でも、職員全員に抗体チェックをしていたし、抗体が低い人にはワクチン接種を義務付けている。今の時代はこれが最低限の注意である。職員が麻疹で感染を起こしたケースではきちんと対応していたのであろうか。疑問が残る。

 

47歳以上はワクチンを打たない世代であるそうだ。昔は麻疹は普通に流行していたので、これ以上の年代はみんな麻疹にかかっている。麻疹の感染を乗り越えていまに至っているわけだ。僕自身も、自分で麻疹にかかった記憶はないが、抗体はついているので、子どものころにかかってしまったのだろう。

 

麻疹と、それに風疹も、両方のワクチンを打つべきである。MRワクチンと言う混合ワクチンがあるので、免疫がない人はすぐにうったほうがいい。北千住の当院でもやっているし、亀戸の分院でもワクチン接種はできる。希望者はクリニックに確認してもらえばいい。

 

麻疹の感染力は半端ない。同じ電車の同じ車両に乗っていれば、全員にうつる可能性がある。免疫があれば、まったくその心配はない。自分がかかるのも怖いが、自分を通して他の人にうつす可能性もある。麻疹のワクチンを打つ前の子供の近くにいれば、簡単にうつす。自分の子供がうまれて、父親が感染源になってしまったら気の毒でならない。赤ちゃんが麻疹にかかった場合の死亡率はとても高いからだ。