うちの区では、乳がん検診では、触診をなくしてしまったらしい。マンモグラフィーに統一して検診をしているようだ。
しかし、マンモグラフィーの場合には、高濃度乳腺の問題がつきまとう。高濃度乳腺があると、マンモグラフィーでの癌の指摘が極めて難しくなる。日本人の半分ぐらいは高濃度乳腺らしいのだ。つまり、マンモグラフィーだけではかなり乳がんの見落としが起こりえる。
乳がん専門の先生から発表があった。マンモグラフィーの乳がん検診を受けに来た人に、乳腺エコーの検査の希望をとり、希望者には乳腺エコーの検診をオプションで行ったそうだ。すると、5例の乳がんが見つかった。4例に関しては、マンモグラフィーでは拾えなかった乳がんらしい。
もちろん、エコーでは拾えず、マンモグラフィーで指摘できるケースもある。どっちも長所短所があるので、本当は両方やるのが一番いい。どっちがいいかは、昔から議論がつきないところだ。
ただし、高濃度乳腺の人については、乳がんの指摘しづらいことはわかっており、一度調べて高濃度乳腺であることがわかったら、次からはエコーで検診をやったほうがいいのだろう。
最近、乳がんが見つかったという話はあちこちで聞く。病院で診断を受ける前に、自分で乳房のしこりをみつけているケースがかなりある。相談され、病院に行った方がいいよと言われても、しばらく放置しているケースが多いようだ。半年から数年間ぐらいほっておくことは頻繁にある。ほっておくぐらいなら、相談しなければいいのにと思う。
病院あるいは乳腺専門のクリニックでないと、まずマンモグラフィーの撮影装置はもっていない。が、超音波機器をもっている内科医はけっこうある。うちのクリニックももっているぐらいだからね。エコーで気楽に調べてもらった方が、乳がんの発見確率が上がるのではないだろうか。