大阪あべのハルカスでの麻疹騒動 | 耳鼻科医として、ときどき小児科医として

耳鼻科医として、ときどき小児科医として

以前にアメブロで書いていましたが、一時移籍し、再度ここに復活しました。専門の耳鼻咽喉科医としての記事を中心に、ときにサブスペシャリティな小児科診療のこともときに書いていきます。

大阪あべのハルカスの近鉄百貨店で麻疹に感染した患者が多数でている。東京の人からすると、「あべのハルカス」と言われても、ピンとこないが、東京でいうなら六本木ヒルズのようなものであろうか。今や大阪の名所なのだろう。

 

近鉄百貨店のバレンタインフェアで勤務していたアルバイト店員など、7人が麻疹に感染したことがわかった。大阪の名所ということで、バレンタインのチョコを買いに関西全域からお客さんがきているかもしれない。今はっきりしているのは、店員だけだが、この麻疹が関西全域に広がる可能性はありうる。しいては、東京にまで広がるかもしれない。

 

麻疹というのは、とても感染力が高く、空気感染すると言われている。つまり近くにいただけでもうつる可能性がある。診断そのものもとても難しく、原因を調べている間にも、次々とうつしてしまうかもしれない。

 

もっとも、免疫のある人はうつらないが、ワクチンを打っていない人は簡単に感染する。子どものころにワクチンをうっていても、ワクチンによる免疫が落ちてくると、感染してしまうこともあるので、やっかいなのだ。

 

感染力が高いばかりではなく、重症化するケースも多いので、とてもやっかいな病気である。

 

7人が感染したという情報も昨日の時点のものである。日一日と麻疹の罹患者がどんどん増えていくかもしれない。現在の、麻疹ワクチン行政の稚拙さを考えると、その可能性も十分ありえるのだ。

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